【神戸のベスト布陣を考察】2列目はイニエスタら助っ人揃い…古橋は最前線でこそ生きる

2021年05月16日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

マシカとリンコンという助っ人の能力はやはり抜けたものがある

神戸のベスト布陣を考察。2列目の3人はいずれも助っ人とした。(C)SOCCER DIGEST

 絶対的な攻撃の軸であるアンドレス・イニエスタの戦列復帰、そしてケニア代表FWのアユブ・マシカ、ブラジルの新進気鋭リンコンの合流――。ここに来てヴィッセル神戸の陣容は一気にスケールアップしている。今後は多彩なシステムや組み合わせが可能になるだろう。

 昨年末に右太ももを負傷したイニエスタが離脱していたこれまでは、2ボランチの4ー4-2を主戦システムとして戦ってきたが、ここ3試合では、イニエスタが途中出場した時には4-2-3-1へと形を変えている。

 また1点のビハインドを負っていたC大阪戦では、アンカーに山口蛍、トップ下にイニエスタを置く菱形の4-4-2も見られた。

 そこで今後ベストとなりうる布陣を考察してみた。
 
 最終ラインはこれまでと変わらないメンバーで問題はないだろう。スラムダンクの桜木花道ばりの気迫が魅力の菊池流帆と右SBが板についてきた山川哲史は成長著しく、経験豊富な酒井高徳はやはり頼りになる存在。現役ベルギー代表でC大阪戦では豪快な来日初ゴールを決めたトーマス・フェルマーレンも頼もしい。ここまでリーグで5番目に少ない13失点に抑えられているのは、この守備陣の安定感があるからだ。現時点で手を加える必要はないだろう。

 組み立て役のセルジ・サンペールとダイナモの山口というボランチコンビも、いまや鉄板。補完性は抜群だ。一方で、2列目は助っ人で固めるのが最適解と見る。

 中坂勇哉と井上潮音、佐々木大樹などメキメキと頭角を現わしている若手はいるが、マシカとリンコンという助っ人の能力はやはり捨てがたい。なかなかコンディションが上がってこなかったリンコンも、C大阪戦で圧巻の攻撃性能を見せつけた。86分のシザースで切り込んでいったプレーからは、そのポテンシャルの高さがうかがえる。

 そして当然アンドレス・イニエスタは外せない。負傷明けでまだトップフォームではないが、ここ3試合で徐々に出場時間を増やしており、先発に復帰するのも時間の問題だ。

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