長谷部&鎌田を擁するフランクフルトは悲願達成なるか? 熾烈なCL出場権争いでカギを握るのは…【現地発】

2021年05月15日 中野吉之伴

3チームがCL出場権獲得の可能性を残す

(左から)フランクフルトの鎌田、ドルトムントのハーランド、ヴォルフスブルクのヴェフホルスト。チームをCL出場に導くのは?(C)Getty Images

 第32節終了時でバイエルンの優勝は確定。2位RBライプツィヒの来シーズンのチャンピオンズ・リーグ(CL)出場もほぼ当確となった。4位以内に与えらえるCL行きチケットは残り2枚。その争いは、熾烈になってきている。

 3位ヴォルフスブルクが勝点60、4位ドルトムントが勝点58、5位フランクフルトが勝点57。勝点差3ポイント差の中に3チームがひしめいている。残り2試合で、どのようなドラマが待っているのだろうか。

 リーグ5連勝中のドルトムントはこの勢いを最後まで保ちたい。しばらくゴールから遠ざかっていたエースのアーリング・ハーランドはヴォルフスブルク戦で2ゴールを挙げて調子は上々。チームの攻守のバランスも非常にいい。そんな中で注目すべきは、アンカーとして活躍しているマフムド・ダフートだ。

 以前は鋭いプレーは見せるものの全体としてミスが多く、なかなか試合の流れに入れないところが難点だった。そんなMFにとって大きな転機となったのが、CLベスト16のセビージャ戦だ。この試合でスタメン起用されると、相手に先制を許して迎えた19分、強烈なミドルシュートで同点ゴールを決めたのだ。
 
 以降ほすべての試合でスタメンを飾り、攻守の切り替えを司る役割を果たしている。粘り強い守備でボールを奪い取り、インテリジェンスの高さを感じさせるパスを繰り出す。このままさらに成長していくことができれば、ドイツ代表への定着も夢ではない存在に変貌した。

 ドルトムントは先日、DFBポカールを制し、勢いはさらに加速している。残り2試合の相手はマインツとレバークーゼンだが、今の調子が続けば、CL出場権獲得は間違いないとみていい。

 続くヴォルフスブルクは、17節のマインツ戦から11試合でわずか3失点しかしていなかったたものの、28節のフランクフルト戦でリズムが崩れ、3-4という打ち合いの末に敗れてしまった。続くバイエルンとドルトムントには連敗し、シュツットガルト、前節のウニオン・ベルリン戦は勝利と調子はまちまちだ。

 だが、オリバー・グラスナー監督が植え付けたオートマチックさは柔軟で堅実だ。守備固めをしようと思えばがっちりと守ることができ、動きに変化を加えて自分たちから仕掛けていくこともできる。主軸にケガもなく、何よりエースFWのヴォウト・ヴェフホルストもコンスタントにゴールを積み重ねている。6年ぶりとなるCL出場を勝ち取るために、ライプツィヒ、マインツとの対戦では、粘り強く勝利を目指していくことが求められる。
 

次ページ長谷部誠とフランクフルトの悲願は叶えられるのか?

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事