【20-21日本人欧州組ベスト11 vol.2】5大リーグでのプレーは評価されるべき。MVPは欧州屈指の“センス”で人気の…

2021年05月13日 小宮良之

たとえ数字が劣っていても優先されるべきなのは…

小宮氏が選んだ日本人欧州組のベストイレブン。赤字がMVP、浅野はパルチザンとの契約を解除。

 欧州主要リーグの2020-2021シーズンも残すところあとわずかとなった。このタイミングで、日本人選手に精通する識者にヨーロッパでプレーするサムライ戦士の中から、ベストイレブンとMVPを選出してもらった。スポーツライターの小宮良之氏が選んだ11人は――。

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 今や欧州で50人以上の日本人選手がいる時代、各国での活躍が目立っている。その様子は隔世の感がある。

 異なるリーグでプレーする選手が多いだけに、ベストイレブンを選出するのは簡単ではない。単純に、レギュラーだから、得点を多くとったから、では優劣を語れないだろう。リーグによって、レベルは大きな差だ。

 やはり、プレミアリーグ、ラ・リーガ、ブンデスリーガ、セリエA、リーグ・アンという欧州5大リーグは特別だろう。また、欧州カップ戦に出場したクラブ、もしくは来シーズンの出場権争いをしているクラブでプレーした選手は、たとえ数字(出場数や得点数など)が劣っても優先されるべきだ。
 
 その点、ブンデスのフランクフルトは来季のチャンピオンズ・リーグ(CL)出場権争いを繰り広げており、そこでレギュラーの長谷部誠、鎌田大地の二人は外せない。

 長谷部はボランチだけでなく、3バックのリベロとしてもチームに貢献。抜群の危機管理に長けた選手で、チームに平穏を与えられる。攻撃面でも、相手に余裕を与える球出しができる。

 鎌田はトップ下で攻撃の中心。そのセンスは非凡で、欧州屈指と言える。そこに通せるんだ、と思わず声を上げたくなる奇跡的パスを通し、人気を高めている。欧州クラブ日本人MVPといっても過言ではない。

 同じブンデスのシュツットガルトで躍動するMF遠藤航も、抜群の活躍を示す。プレーの強度、安定感が増した。どんな悪路でも踏破するオフロード車のようで、全域で攻守を補強。ボールをからめ取ったかと思うと、ゴール前に入ってPKを獲得することもあった。

 また、ビーレフェルトの堂安律も攻撃をけん引した。右サイドからの崩しは鮮烈。4得点は多くはないが、最強王者バイエルン戦で決めたゴールは格別だ。

【動画】名手ノイアーの牙城を破る!絶対王者バイエルン戦で決めた堂安律の鮮烈ゴール(5分15秒~)

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