プロ分析官が代表ウィーク明けの注目カード『名古屋×FC東京』を徹底展望! グランパス7連勝のカギを握るのは?

2021年04月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

代表招集組の状態は?

杉崎氏の「名古屋グランパス対FC東京」予想フォーメーション。

 約2週間の代表ウィークが終わり、ついにJ1リーグが再開を迎える。

『サッカーダイジェストWeb』では、Jリーグの各クラブでスカウティング担当を歴任し、2019年には横浜F・マリノスでチームや対戦相手を分析するアナリストとして、リーグ優勝にも貢献した杉崎健氏に、7節・名古屋グランパス対FC東京の勝負のポイントを伺った。

 確かな分析眼を持つプロアナリスト界の第一人者は、注目の一戦をどう見るのか。予想してもらった布陣の解説、両チームのポジティブ・ネガティブ要素、注目選手を挙げてもらった。

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【名古屋予想布陣解説】
 名古屋は開幕から全勝しているので、システムを変えることは考えづらい。稲垣祥と相馬勇紀は代表帰りでコンディションの心配もありますが、そこまで問題はないでしょう。ただ、相馬はU-24アルゼンチン代表との2連戦で、2試合目に長い時間出場していることを考えると、若干ですが相馬の方がコンディションに影響があるかもしれない。もしかしたら齊藤学の先発出場もあるかもしれません。

 また前線は、一番前に柿谷曜一朗を置いて、2列目のトップ下にガブリエル・シャビエルということも考えられます。それでも柿谷をトップ下にした理由は、もしFC東京が4-1-4-1の形できたとすると、森重真人のところに守備でアプローチがしたいと思うんです。そうなってくるとG・シャビエルより柿谷かな・・・・・・と。柿谷は守備の選手ではないですが、G・シャビエルよりは森重をけん制することができるかなと思っています。

 逆に名古屋がボールを握る展開になるとしたら、柿谷は森重の両脇を動き回ってボールを受けて、さらに2列目から飛び出すことができれば、それが大きな強みになると思います。
 
FC東京布陣予想解説】
 FC東京も、代表組のコンディションが気になります。渡辺剛はU-24アルゼンチン代表との第2戦に出ていないので問題ないでしょう。ただ日本代表の小川諒也は、2戦目のモンゴル戦でフル出場しているので、もしかしたら中村帆高が左SBで、中村拓海を右SBで使うことも考えられます。しかし、名古屋の右ウイングがマテウスだと考えたときに、力のある小川を使いたいはず。3月30日の代表戦から中3日ですが、体力的には問題ないかなと思います。

 怪我人も多くなってきていて、右ウイングの渡邊凌磨や紺野和也。また規律違反で活動を自粛していた波多野豪と安部柊斗(先日練習に復帰したばかり)をいきなりスタメンで出すことは考えづらい。GKは、波多野が不在だった2試合で良いセービングを見せていた児玉剛かなと思います。

 田川亨介はアルゼンチン戦の最後に怪我をして交代しているので、大事を取って先発では使わないと予想して、右ウイングには東慶悟を配置しました。あとの問題は永井謙佑をどうやって使うか。ディエゴ・オリヴェイラを右ウイングにして、永井をスタートから真ん中で使うことも考えられます。ただ、長谷川健太監督は切り札をベンチに置いておきたいタイプなので、もし田川が怪我でベンチにすら入れない場合に、ベンチにFWがいなくなってしまうという考えでこの布陣予想になりました。
 

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