「タクミには感服したよ」サウサンプトンのレジェンドに直撃! 南野拓実の“素晴らしい強み”とは?【現地発】

2021年04月02日 スティーブ・マッケンジー

「彼はクラブにとって掘り出し物」

6試合出場で2ゴールの南野。レジェンドOBはどのように評価しているのか。 (C)Getty Ima

 21年1月の移籍市場で、南野拓実がリバプールからサウサンプトンにレンタル移籍してきたのは、関係者の間で非常に明るい話題だった。そして実際に彼はセインツで2ゴールを挙げ、好調なスタートを切ったが、今はその熱が少し冷めてしまったように感じる。

 そして、その新天地でもリバプールにいたときと同じような状況にある。ただ、その理由は異なる。レッズでは単純に序列の問題だったが、サウサンプトンでは規定上の理由でFAカップに出られないため、リーグ戦しか出番がまわってこない。結果として、十分なプレー時間を得るには至っていないのだ。

 サウサンプトンはFAカップで準決勝まで勝ち残っているが、南野は保有元で出場しているため、ピッチに立つことはできない。ルール上仕方ないとはいえ、ただ眺めていることしかできないのは悔しいはずだ。選手のフラストレーションはいかほどのものか、私には想像しかできない。

 そんな矢先に、代表ウィークでプレミアリーグが中断した。私はこの期間を利用して、セインツのレジェンドである、フランシス・ベナリ氏に、南野について話を聞く機会があった。52歳の元DFは開口一番、「タクミ・ミナミノをレンタルで獲得したことは、クラブにとって良いビジネスだった」と言った。
 
 日本の選手をクラブに招き入れることに、OBがビジネス的なメリットを感じていたとは驚きだ。だが、話を聞いてみれば簡単なことだ。彼は、「掘り出し物を得た」という意味で利点を感じているのだという。

「タクミのニューカッスル戦でのゴールは素晴らしかった。インパクトも大きく、あれで彼がクラブにもたらすものが分かりやすくなった。ホームのセント・メリーズでチェルシーを相手に決めた2点目も素晴らしかった、文句のつけようがない。走り出すタイミング、ボールタッチ、DFとGKを手玉に取って腰砕けにし、ボールをゴールに流し込んだ冷静さに感服した」

 だが、それ以降、背番号「19」が確たるものを見せられていないのも事実だ。そこで、ベナリ氏に「南野が今のサウサンプトンに加えられる要素があるとしたら何か?」と尋ねると、こういう答えが返ってきた。

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