【橋本英郎】独断と偏見で選ぶ“J歴代ヘディング名手”ベスト10! 中澤、闘莉王、冨安ら“鉄板”のほかにも意外な面々が!

2021年03月23日 橋本英郎

ケネディは“仁王立ちのまま”ゴールを決めていた

左上から時計回りで中澤、闘莉王、岩政、そして冨安。いずれも劣らぬ“空の支配者”だ。はたして1位は誰に──。(C)SOCCER DIGEST

 前回コラムで「歴代パサー」ベスト10をやらせていただいて、かなりの反響をいただきました。ありがとうございます。

 編集部からの要望もありまして、今回はずばり「エアバトラー」! 空中戦に滅法強い名手たちをピックアップしてみました。あくまで対象は、僕がかつて共に戦ったチームメイト、または過去に対戦した選手を基本線にしていますのでご了承ください。

 ではさっそく10位から行きましょう。元ジェフ千葉の【巻誠一郎】選手です。

 なんといっても彼の強さは、メンタリティー。明らかに自分のボールではない局面でも無理矢理にでもヘディングに行って、状況を変えてしまう。ヘディングの技術的にも唸らされましたし、本人が「利き足は頭」と話していたのもよく理解できます。足で点を取りに行くところでも、あえて頭で強引にでも合わせてゴールをこじ開ける。生粋のエアバトラーですね。

 続きまして9位には、元ジェフ、ガンバ大阪の【山口智】選手をチョイスします。

 身長は180センチ弱なのですが、190㎝の相手にも勝ててしまう。競り合いにむちゃくちゃ強かった印象があります。身体の使い方は実にしなやかなで、空中でもしっかりバランスが取れる。だから、ヘディングできるゾーンが広い。さまざまなタイプの選手に対して、頭脳を駆使して空中戦を制する。そして、勝利する。近くで観ていて本当に頼もしかったです。
 
 どんどん行きます。8位は、元名古屋グランパスの【ジョシュア・ケネディ】選手です。

 チームメイトたちからのいろんな情報を集めたら「ヘディングそんなに強くないよ!」って言われちゃいそうですが、僕が選出した理由は明快です。「コーナーキックに合わせるとき、立ったまま頭に当てて入れてしまう!」。もうこれに尽きます。本来なら競り合って必死に頭を出してヘディングしますが、彼の場合は、仁王立ちのまま相手を手でブロックしてしまえばシュートを撃てる、絶対的な高さ(194センチ)を持っていました。

 続いて7位。名古屋と清水エスパルスで活躍した【フローデ・ヨンセン】選手です。

 とにかくヘディングの技術が図抜けているな、と試合をしていて感じました。強めの弾道のヘディングシュートだけでなく、キーパーの頭上を抜く技ありのシュートなどバリエーション豊かで、技術を駆使していた印象です。すごく芸術的でした。

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