【群馬】江坂や瀬川らに続く“出世頭”候補。26番を受け継ぐ長身FW一木立一に注目

2021年02月26日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

“出世番号”を背負う地元出身のストライカー

東京学芸大で頭角を現わしプロ入りを掴んだ一木。クラブ期待のルーキーだ。(C)THESPA

 2015年シーズンにザスパクサツ群馬の26番を背負った江坂任は、大卒1年目で13得点を挙げると、翌シーズンには大宮アルディージャに引き抜かれ、現在はJ1の柏レイソルで10番を背負うまでに成長を遂げた。

 その江坂に続き、16年に26番をつけた瀬川祐輔も、大卒1年目に13得点・12アシストという驚異的な数字をマーク。翌年に江坂と同じく大宮へと移籍し、その後、柏へとステップアップを果たした。

 また、17年に26番をつけた高井和馬は加入1年目で10ゴール。その後は東京ヴェルディを経てレノファ山口FCに移籍すると、昨季は42試合で11得点。J1でのプレー経験はないものの、J2で高い実力を示している。

 群馬にとっての26という背番号は、大卒ルーキーを飛躍へと導く番号として特別視されているのだ。

 そんな"出世番号"を今年つけることになったのが、一木立一(いちき・りゅういち)。東京学芸大から加わったルーキーで、185㌢という上背を活かしたポストプレーとパンチのあるシュートが持ち味のFWだ。
 
 群馬の桐生市出身とあって、地元サポーターからの期待も小さくない。新シーズンのユニフォーム売上ランキングでは全体の6位(第1弾予約時点)ということからも、その注目度がうかがえるだろう。ちなみに、新加入選手では最高順位である。

 もちろん期待が大きい分、プレッシャーも相当なものだが、そのキャリアを振り返れば、重圧を撥ね退け活躍するのではないかという予感を抱かせる。

 生まれ故郷のクラブチームである新桐生ジュニオールで本格的にサッカーを始めた一木は、桐生市内の桜木中に進学した。中学時代には県大会優勝を経験したものの、全国的に目立った成績を残してきたわけではない。

 その後に進んだ太田高も、県内屈指の進学校ではあるものの、ことサッカーに関して言えば強豪校とは言えない。しかも東京学芸大にはスポーツ推薦などではなく一般入試で入学と、いわゆるエリートとはかけ離れたキャリアを歩んできた。
 

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