「4人の主将が誰も役割を果たしていない」失速したバルサの根深い問題点を番記者が糾弾!【現地発】

2021年02月24日 エル・パイス紙

バルサには守備力とリーダーシップが欠如している

今シーズン限りで解約が切れるメッシ。この状況では退団に傾く可能性が…。 (C) Getty Images

 今できることは3月7日に新たな会長が選出されるのを待つだけ。そして新体制の下でメッシの去就を巡る問題を解決させ、フットボールのアイデンティティを取り戻し、経営を立て直さなければならない。

 その際にネックとなるのは、深刻な財政難に見舞われていること。一方で希望の星はロナルド・アラウホ、アンス・ファティ、ペドリ、フレンキー・デヨングら若手の台頭だ。

 彼らを抜擢したロナルド・クーマン監督の手腕は賞賛されてしかるべきだが、ただ戦略面となるとその采配は議論の余地が生じる。結局のところ、彼もまた2015年6月にベルリンで制覇して以来、チャンピオンズ・リーグ(CL)で毎年失態を繰り返す傾向に歯止めをかけることができなかった。

【動画】メッシのイライラも限界? 信じがたい暴力行為はこちら
 ホームでのパリSG戦の大敗(1-4)で明らかになったのは、バルサには守備力、リーダーシップが欠如していることだ。クリシス(危機)はクラブ全体に波及し、責任の所在を明確にするのは困難だが、その中でクローズアップされるべきはパリSG戦を怪我で欠場したセルジ・ロベルトも含めたジェラール・ピケ、セルヒオ・ブスケッツ、リオネル・メッシの4人のキャプテンだろう。ロッカールームでキャプテンシーを発揮することができず、ピッチでも若手を牽引する存在とはなれなかった。

 フットボールの劣化も著しい。ポジショナルプレー、ポゼッション、プレスに支えられたスタイルは、時代の流れか、あるいは自滅癖がもとで、その機能性を失ってしまった。パリSG戦ではキリアン・エムバペが暴れ回ったが、さらに深刻なのは相手チームのウィークポイントと見なされていたレーバン・クルザワ、アレッサンドロ・フロレンツィの両SBに自由な攻撃を許してしまったことだ。

 格下相手には貫禄を見せるが、強豪を敵に回すと攻守両面で太刀打ちできないのが今のバルサだ。しかも流れが悪くなると、ハートの弱さが顔を覗かせる。
 

次ページ「まやかし」と決別しなければ、バルサに未来はない

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事