「僕らふたりが高校選抜の核となって…」埼玉スタジアムで3戦連発! 選手権得点王・安斎颯馬が繋ぐ戦友との固い絆

2021年02月21日 林 遼平

高校選抜にとっては悔しい敗戦に…

青森山田のFW安斎が、選手権に続き埼玉スタジアムで得点を挙げた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 ゼロックス・スーパーカップの前座試合となる『NEXT GENERATION MATCH』が2月20日、埼玉スタジアム2002で行なわれ、日本高校サッカー選抜は川崎フロンターレU-18に1-2で敗れた。

 高校選抜にとっては悔しい敗戦となった。立ち上がりから相手に対してプレッシングを仕掛けるも、相手の巧みなパスワークにかわされて失点。後半は息を吹き返して一度は同点に追いついたが、ミスをきっかけに2点目を奪われ、そのまま試合に敗れてしまった。

 ただそのなかでもひとり、気を吐いた男がいる。昨冬の全国高校サッカー選手権大会で5得点を奪い、得点王に輝いた青森山田のFW安斎颯馬だ。

 苦しい展開を強いられた前半から、安斎は積極的な仕掛けを見せた。ともに2トップを組んだ米子北のFW﨑山友太とコミュニケーションを取りながら、タイミングを見計らってスペースに飛び出していけば、18分にはボールを受けてペナルティエリア外からミドルシュート。これはGK正面となったが、どんな状況でもゴールを目指す姿は選手権の記憶を思い返すものだった。
 
「今日の試合は前半にフロンターレがボールを回すと予想していたけど、それを上回るくらい相手がうまかった。ハイプレスを目標にしていたが、前線からのプレスがなかなかうハマらなかった。ただ、0-1で折り返したなか、ハーフタイムで本当にサッカーを1回変えようと話していた」

 もう一度、前線からプレスをかけていこうとした後半。試合を動かしたのは、やはり安斎だった。

「僕たちFWが相手CBを自由にさせ過ぎていたところもあったので、前から奪う感覚で行った」と語る安斎は、後半開始直後に猛然とプレスをかける。すると、高い位置でボールを奪取。「奪えたあとは冷静にゴールを決めるだけだった」と振り返るように、その後はボールを左足に持ち替えて逆サイドに流し込む冷静さを見せ、意地の同点弾を決めた。

 このゴールで自身としては選手権準決勝の矢板中央戦、決勝の山梨学院戦に続き、埼玉スタジアムでは3戦連発。「とくに考えてはいなかったけど」と笑ったが、「自分自身、前線の選手なので毎試合得点することを狙っている。埼玉スタジアムという素晴らしい舞台で3試合連続ゴールができて光栄です」と大舞台での得点を喜んだ。
 

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