【強豪校レポート】神戸弘陵|細部にわたる意識改革で全国トップレベルに切り込む

2015年04月18日 森田将義

谷監督「インターハイに向けてベース作りは進んでいる」

神戸弘陵学園は、1983年創立の私立校。2005年に就任した谷監督の下、全国の頂点を見据えてトレーニングに励む。

 昨夏のインターハイでは、優勝した東福岡に1-8の大敗を喫した。その悔しさを糧に、地元開催となる今夏のインターハイでリベンジに燃える神戸弘陵。今年は県新人戦を制して幸先の良いスタートを切ったが、その視線はやはり全国に向けられている。
 
 全国トップレベルのチームに勝つためには何が必要か――。日々のトレーニングもそうした高い意識で取り組む。今季の注目校である神戸弘陵のいまを、谷純一監督へのショートインタビューと今季のキーマンから紐解く。
 
――◆――◆――
 
■谷純一監督インタビュー
 
――今年の目標を教えてください。
 
「今年はインターハイが地元開催なので、兵庫県からは県代表に開催地代表を加えた2チームが出場できます。インターハイ予選でのシード枠を得るには、新人戦はベスト4以上が最低条件だったので、まずはここで優勝できて良かったです。地元開催なので県総体で優勝という結果を残して、全国ではひとつでも上位に進みたいですね。
 
 そして、選手権は全国ベスト4以上に進むことが目標です。昨年は新人戦、インターハイで優勝したものの、選手権は予選の準々決勝で敗れ全国大会に出られませんでした。『昨年よりもチーム力を上げて、次の年に挑む』というのが、うちのやり方なので、昨年の経験を活かし新人戦、インターハイ、選手権の県内3冠を見据えて、日々の練習に挑んでいます」
 
――そのために普段の練習から取り組んでいることは?
 
「県内で勝つことも大事ですが、『全国トップレベルのチームに勝つためには何が必要か?』ということを常に意識して練習しています。技術はもちろん、判断力、厳しさなど細かい部分まで選手たちには求めています。
 
 また、チームのスローガンとして、"目標に向かうために心を同じにして力を合わせる"という意味の四字熟語「和衷協同」を掲げています。これは5年前のFW江坂任(今季、流通経済大からJ2群馬へ入団)らの代が掲げたモノ。良い言葉だったので以降、チームの精神的な拠り所として、大事にしています」
 
――四字熟語の通り、練習からもチーム一丸となっている様子が伝わってきます。目標への手応えはいかがでしょうか?
 
「昨年、全国の強豪と試合をし、守備の甘さや隙を見せれば確実に失点してしまうことが分かりました。今年はこれまで積み上げてきた弘陵らしい発想力豊かな攻撃を残しつつ、甘さを消すために全員の守備意識を高めていく。その結果、新人戦では10試合を戦い、わずか1失点。インターハイに向けてベース作りは進んでいると思います」

次ページ中学時代の後悔を胸に刻み、進化を遂げる神戸弘陵のキーマン。

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