「長州のレヴァンドフスキ」の異名取る17歳から清武弘嗣が太鼓判押す21歳アタッカーまで。若き才能が各地でアピール!

2021年02月08日 元川悦子

鹿児島&宮崎キャンプで目に留まった7人の若手たちをピックアップ!

鹿児島・宮崎キャンプでアピールを見せている7人の若手をフリーライターの元川氏がピックアップ。写真は、左上から時計回りに、荒木(鹿島)、河野(山口)、宮代(徳島)、平川(松本)。

 新型コロナウイルスの影響で5人交代制が継続される2021年Jリーグ。となれば、昨季同様、若い世代の台頭が大いに期待されるところ。今年はU-17・U-20の両ワールドカップ(W杯)が中止になったこともあり、若手世代が自らをアピールできるのはJの舞台しかない。そういう意味でも彼らの気迫や意気込みが強く現れるはずだ。

 目下、鹿児島・宮崎キャンプでも複数クラブのキャンプが行われているが、その中でもキラリと光る若き才能が何人かいた。目に留まった逸材をここでピックアップしたい。

 まず今季か渡辺晋監督体制となり、新たなスタートを切ったレノファ山口。2020年J2最下位という屈辱の結果から這い上がるべく、チーム再建に乗り出している。そんなチームの希望と言えるのが、17歳の河野孝汰。2019年11月16日のモンテディオ山形戦でJリーグデビューを飾り、2020年7月29日のVファーレン長崎戦で16歳11か月17日のJ2最年少得点を挙げた点取り屋だ。

 2月3日のロアッソ熊本との練習試合でも、相手DFをかわしてシュートに持ち込むキレと鋭さ、貪欲さが光っていた。残念ながら得点こそ奪えなかったが、「身にまとっている空気感はすごい。基礎技術が高く、いろんなことを考えられる選手」と渡辺監督もポテンシャルの高さを実感している様子。地元メディアが「長州のレヴァンドフスキ」と名づけるだけの器の大きさが垣間見えた。

「『長州のレヴァンドフスキ』はムリヤリ言わされた感がありますけど(苦笑)、そんな存在になっていけたらいい」と本人は謙遜しつつも、内に秘めた野心をのぞかせた。

「動き出しのタイミングやランニングの角度を改善すれば、さらに点を取る機会が増える」と指揮官が指摘する課題を克服することで、今季は目覚ましい結果を残してほしい。

 山口と同じJ2で「J1昇格の本命」と評されるジュビロ磐田。この中で「期待の星」を目されているのが、18歳のDF鈴木海音だ。磐田アカデミー育ちで、プロ1年目だった2020年は6試合に出場。今季はさらに出番を増やすべく、猛アピールを見せている。

 2日の鹿屋体育大との練習試合では、遠藤保仁や大森晃太郎ら実績ある面々に交じって1、2本目に登場。大井健太郎、鈴木雄斗とともに3バックを形成し、対人の強さを発揮した。6日の清水エスパルスとのダービーは2本目途中からのプレーとなったが、ビルドアップの正確さと落ち着きで見る者を唸らせた。

「自分はカバーリングやポジショニング、スピードが武器。そこを伸ばしていこうと思ってます。その反面、体格の大きい選手に力で行って負けてしまう部分は去年のリーグ戦では何度もあった。身体で行くんじゃなくて、駆け引きでボールを奪えるようになりたい」と本人は自らが目指すべき方向を冷静に見据えている。本来なら今年は主力DFとしてU-20ワールドカップ(W杯)を戦うはずだったが、その場が失われてしまった。その分、磐田での一挙手一投足に全力を注がなければならない。彼にとっては勝負のシーズンになる。

【J1】各チームの2021年シーズン予想フォーメーション

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