【横浜】「誰が点を取るのか」新シーズンの課題解決へ、4年目の指揮官にかけられる期待と責任

2021年02月08日 藤井雅彦

新加入アタッカー・エウベルのここまでのパフォーマンスは…

昨季はACLでクラブ初の決勝トーナメント進出に導いたポステゴグルー監督。再びアジアの舞台への切符を掴めるか。写真:藤井雅彦

 横浜F・マリノスは2018年のアンジェ・ポステコグルー監督就任以降、誰の目にも明らかに攻撃サッカーへ大きく変貌した。

 それは数字にも表われており、就任初年度は残留争いに巻き込まれながらもリーグ2位タイの56得点。優勝した19年はリーグトップの68得点を記録し、20年は優勝した川崎に大きく水を開けられたものの、それでもリーグ2位の69得点と面目を保った。

 リーグにおける相対的な総得点順位もさることながら、ゴールの絶対数が毎年増え続けている点がポイントだ。横浜のアタッキング・フットボールが成長している一つの裏付けと言えよう。

 ただし今季に関しては不安材料もある。

 昨季、チームトップの13得点を挙げたエリキとジュニオール・サントスが抜けた。前者は抜群の身体能力と得点感覚が武器で、後者には圧倒的なフィジカルと独力でゴールを奪える破壊力があった。彼らの穴埋め作業はおそらく容易ではない。
 
 期待がかかる新加入アタッカーのエウベルは、石垣島キャンプで左ウイングに固定されていた。「まずはチームの戦術に順応したい」という言葉からも真面目で勤勉な性格がう窺える。練習試合になってもエゴイスティックな面は一切なく、武器であるドリブルの披露も必要最小限にとどまった。

 また、エウベルはこうも話している。

「ゴールとアシストならもちろんゴールのほうが好きだ。でも僕のキャリアの中ではアシストのほうが多かったかもしれない」

 ここまでのパフォーマンスを見るかぎり、どちらかというとチャンスメーカータイプで、ゴールを量産できるかは未知数だ。

 持ち味のドリブルは一瞬の加速と滑らかさに優れるのが特徴。タッチライン際で縦に加速する、例えば遠藤渓太のようなドリブルとはタイプが違う。ならばウイングで孤立させるよりも、中央寄りの位置で起用し、マルコス・ジュニオールや仲川輝人と近い距離を保ちながらプレーすることでさらに良さを発揮する可能性がある。
 

次ページレオ・セアラはコロナ禍で開幕には間に合わない

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事