「良いことづくめだ」南野拓実の“サプライズ移籍”を英国人記者が展望!「彼に必要なのは…」【現地発】

2021年02月03日 スティーブ・マッケンジー

「間違いなく彼のためになる」

クロップ(左)と志向が似ているハーゼンヒュットル(右)のサッカーは、南野にとってフィットしやすいはずだ。(C)Getty Images

 南野拓実が、リバプールからサウサンプトンへの半年間のレンタル契約にサインした。

 誰もが驚いたはずだが、これは南野にとって、大きなチャンスだ。リバプールで行き詰まっていた彼は、ここ数か月で序列がどんどん落ちていた。それゆえに、この変化は「ゴールデン・チャンス」と捉えることができる。

 レッズのファンは、今もなお、彼がプレミアリーグで活躍できると信じている。現時点では、その場所がリバプールではなかっただけだ。

 彼が新たな挑戦のために加入するサウサンプトンは、ポジティブでフレンドリーと評判の良いクラブだ。ただ、本当に重要なのは、クラブ選びではない。プレー時間を得ることだ。今シーズンのプレミアリーグで、南野が10分以上出場したのはたった4試合しかないが、新天地では、1か月以内にその数字を超えることになるだろう。

 さらに良い点は、非常にポジティブな監督の下で、より広い視野でサッカーを展開しているチームの一員になるということだ。私は間違いなく南野のためになるであろうこの移籍に、興奮している。

 日本の皆さんも、聞き覚えがあるのではないだろうか? そう、サウサンプトンの指揮官であるラルフ・ハーゼンヒュットルは、ユルゲン・クロップ監督と似ている部分が少なくない。
 
 しかも、このオーストリア人指揮官は、RBライプツィヒを率いた経験があり、同じレッドブル傘下のザルツブルクやプレーした南野にとって、大きなアドバンテージだ。採用する戦術が似通っているため、難なく馴染むことができるだろう。

 サウサンプトンのプレースタイルは非常にエネルギッシュで、引いて守るより、勝ちに行くことを目指している。この攻撃的なスタイルも、ぴったりハマるはずだ。

 そして、先発を争うライバルは、モハメド・サラーやサディオ・マネから、ネイサン・レドモンドやセオ・ウォルコットに変わる。リバプールでのポジション争いに比べれば、もちろんチャンスを得やすく、しかもサウサンプトンは現在、前線に故障者を複数抱えている。

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