「お袋にはよく引っ叩かれた」から激情家に?「ミランは俺の家」とも【イブラ独占②】

2021年01月22日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

「俺にとってミランはトップ・オブ・ザ・トップなんだ」

敵味方を問わず、納得がいかなければ詰め寄るイブラヒモビッチ。その理由とは? (C)Getty Images

 39歳とは思えないパフォーマンスと存在感で、セリエA首位のミランを牽引するのが、ズラタン・イブラヒモビッチだ。

 このスウェーデン王は昨年末、イタリア『La Gazzetta dello Sport』の土曜版冊子『Sportweek』で独占インタビューに応じた。『サッカーダイジェストWEB』は独占契約を結び、そのインタビューを3回に分けて配信する。

「IBRAHIMOVIC」のアルファベットごとに応じた各テーマで、「ズラタン節」が満載だ。第2回は「IMO」までをお届けする。

【イブラ独占①】「彼女は他の誰とも違った」と妻との馴れ初めを激白。「愛は言葉ではなく態度で示すもんだ」とも

『I』
妬み
「妬みってなんだ? 俺はそう言う気持ちになったことがない。俺は誰のことも羨ましく思ったことがないんだ。青い瞳を持っていて、俺よりずっとチームに歓迎されているように見えたマルメFF(プロデビュースウェーデンのクラブ)の選手たちに対しても、一度も感じたことはない。

 何をするにも奴らはいつも俺より先に選ばれ、俺はめちゃくちゃ腹を立てたが、それは嫉妬とは違う。ただ、何かおかしいとは感じていた。まだ若くてこの世界のことを何もわかっちゃいなかった俺は、世の中は誰もが平等だと信じていた。金髪であろうが、黒髪であろうが、それはただの"違い"でしかないと思っていた」

「しかし、少しずつ物事が分かってくると、移民はこの国ではあまり成功できないってことを悟った。フットボーラーのキャリアも出自が影響するんだってな。俺には全く意味のないことだったけど。その時から俺はそれまで以上に、みんなよりも実力があることを分からせてやろう、という気になった。もしいま俺のことを羨ましいと思う者がいたら、それを是非ともエネルギーに変えてほしい。できないだろうと思うことを、できるようにするエネルギーにね」
『M』
ミラン
「Forza Milan! 俺はこれまで多くのチームを渡り歩いてきて、そのすべてをリスペクトしている。どれもが良い思い出だ。しかし、ミランは俺にとって唯一、我が家のように感じられるチームだ。ミラネッロ(ミランのトレーニングセンター)にいると、早く帰ろうなんて思わない。なぜなら、もう家にいるようなもんだからだ。

 2010年に初めてミランに来た時から、俺はそう感じていた。ベルルスコーニ(当時のオーナー)、ガッリアーニ(当時の副会長)、チームメイト、そこで働いているスタッフたち、他とは違うフィーリング、他のチームとは全てが違う雰囲気だった。本当に自分のいるべき場所だと感じさせてくれた」

「ミラネッロには、『家にいるんだから、好きなようにしなさい。ただ、結果だけは出してくれよ』って雰囲気がある。そんな空気が俺は昔から好きなんだ。自分らしくありながら、世界トップクラスのチームでプレーできる。

 こんなに最高なことはない。だから俺にとってミランは、トップ・オブ・ザ・トップなんだ。ミラノには多くの友人もいるし、引退からもこの街に住んでもいいかなと思っている。この10年のうちに、すごく国際的な都市に発展したしな。ただ、残念なのはCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)だ……」

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