市場価値はすでに30億円! 好調レバークーゼンで躍動する17歳の“秘宝”ヴィルツとは何者か?【現地発】

2020年12月25日 中野吉之伴

主軸が抜けたチームの好調を支える

将来を嘱望されている17歳。ドイツの新星だ。 (C)Getty Images

 新型コロナウイルスの影響でスタートが遅くなった今季のブンデスリーガは、第13節で今年のスケジュールが終わった。前半戦で、第12節まで首位に立っていたのは、絶対王者バイエルンではなく、レバークーゼンだった。

 シーズン前の評判は、そこまで高くなかった。これまで大黒柱として必須の存在だったカイ・ハベルツがチェルシーへ、そして副キャプテンで主軸だったFWケビン・フォラントはモナコへと移籍。その穴は簡単には埋まらないだろうという見方が強かったが、ふたを開ければ、第13節でバイエルンに敗れるまで、無敗を誇っていた。
 
 好調の要因は多くあるが、そのうちの一つにあげられるのが、17歳フロリアン・ヴィルツの活躍だろう。ヴィルツはドルトムントのユスファ・ムココと並び、ドイツサッカー界が抱える秘宝の一人といっても過言ではない。

 もともとヴィルツはケルン育ちだ。ケルンのU-17チームでドイツ王者にも輝いた。だが、ケルンサイドがヴィルツとの契約にのんびりしている間に、レバークーゼンが本腰を入れて獲得に乗り出した。元レバークーゼンSDのライナー・カルムントがその裏事情について、エクスプレス紙の取材に答えている。

「ケルンやレバークーゼン関係者、そしてフロリアンの父親、彼らの親しい友人から話を聞いたことがあるが、ケルンは動き出すのが遅すぎた」

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