なでしこジャパンの2020年総括。コロナ禍で活動制限も、高倉監督が「楽しみでしかない」と言う理由は?

2020年12月24日 西森彰

候補合宿も合わせると招集されたのは50名あまり

現代表のエースの座を担うのが岩渕。今後も軸となる選手だ。(C)Getty Images

 世界中で吹き荒れるコロナ禍は、なでしこジャパンのスケジュールにも大きく影響し、3月のSheBelievesCup以降の活動はすべて中止。最大目標の東京五輪も、来年への延期を余儀なくされた。「人々の生活と平和があってのスポーツだと考えさせられました。そして再開後は、サッカーに携わっている人たちの喜びを感じることができました」と、なでしこジャパンの高倉麻子監督。

 それは今年10月、11月の候補合宿に招集された選手も同じだったはずだ。高倉監督は「それぞれが、いろいろな意味で『なでしこジャパンの一員である誇りと責任』というものを、今まで以上に感じ始めたのかなと思います。オリンピックに向かって『自分はこうしていきたい!』という意志を感じましたし、そういう発言も聞こえました」と言う。各キャンプは、選手の高い士気もあって、充実したものになった。

 なでしこチャレンジ(ラージグループキャンプ)まで合わせると、ケガなどで辞退した選手も含めて、招集されたのは50名あまり。フランスでプレーする熊谷紗希(リヨン)のような実績のある主力から、水谷有希、塩越柚歩(いずれも浦和レッズレディース)、伊藤美紀、スタンボー華(いずれもINAC神戸レオネッサ)、脇阪麗奈(セレッソ大阪堺レディース)、浜田遥(マイナビベガルタ仙台レディース)ら6名のフル代表初招集組が含まれている。
 
 チーム全体が不調にあっても、チームを勝たせる働きができる選手。さらに、大きな伸びしろ、高いポテンシャルを秘めている若手まで、色とりどり。就任以降、若手の積極的な起用のイメージが強い高倉監督だが、2011年のワールドカップ優勝を知る髙瀬愛実(INAC)も招集されている。

「常にどの選手にもチャンスがあるというのは伝え続けています。年齢が高くてもパフォーマンスが良ければ、あるいは、今の代表に何か大きな力をもたらしてくれるのではと思えば、常に選んできたつもりです。代表に指定席はありません。代表まで上り詰めたとしても、進歩がなければ後退。下の選手に抜かれます。厳しいとは思いますが、なでしこチャレンジの選手も含めて、ひとつの大きなグループとして、全体で伸びていければ」(高倉監督)

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