【五輪1年延期の明暗①】U-23日本代表が国内合宿で再出発! GK・DF陣の勢力図には異変も

2020年12月23日 元川悦子

大迫が盤石かに思われたが…大激戦となりつつある正GK争い

U-23代表の国内合宿に招集された波多野。FC東京ではACLにも出場し、国際舞台を経験した。写真:滝川敏之

 1月U-23アジア選手権(タイ)惨敗から11カ月。1年延期となった2021年夏の東京五輪に向け、森保監督率いるU-23日本代表が千葉・幕張で再スタートを切った。

 今回は今季J1でぶっちぎり優勝を果たした川崎フロンターレの大卒新人・三笘薫や旗手怜央、主力ボランチの田中碧らの招集が注目されたが、彼らは天皇杯出場のため選考外。これまで一度も呼ばれたことのない安部柊斗や中村帆高(ともにFC東京)ら新顔の大卒組が数多く招集されている。逆にこの半年間で序列を下げた選手もいて、五輪1年延期の明暗があるのは確か。それを踏まえてポジションごとに現状を分析してみたい。

 まずGKだが、2019年コパ・アメリカ(ブラジル)やE-1選手権(釜山)でA代表の一員としてプレーした大迫敬介(広島)が1月時点まではトップを走っていたが、彼が所属クラブで出場機会を大幅に減らしたことで、他の候補者にチャンスが回ってきた。今季は谷晃正(湘南)や梅田透吾らJ1で出番を得た東京世代の守護神が数多くいるなか、指揮官が抜擢したのは沖悠哉(鹿島)と波多野豪(FC東京)。

「沖は鹿島という日本トップの力を持っているチームでレギュラーを取って試合に出続けている。2人の経験ある選手たち(曽ケ端準とクォン・スンテ)がスタンバイしている中で試合に出続けるメンタリティは素晴らしい。非常に足下の技術があり、自信を持って中長距離のパスを配球できる。波多野はACLという大きな経験をした。自分が成長して自信を深めたところを見せてほしい」と2人には直々に大きな期待を示したのだ。

 彼らの追い上げに危機感を覚えているのは、もちろん大迫だ。
「ライバルの選手がピッチで躍動している姿は悔しい気持ちがありましたけど、自分の目標はもっと上にある。一喜一憂せずにやることを心掛けた」と話すものの、現状は実戦をやってみなければ分からない。26日の関東大学選抜とのゲームで彼がどんな一挙手一投足を見せるのか。沖と波多野がインパクトを残すのか。それとも3人が期待外れに終わり、別の選択肢が浮上してくるのか。今回の試合と練習が重要な試金石になるのは間違いない。
 

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