天国と地獄を経験した浦和内定CBがいざ選手権へ――青森山田のU-18日本代表DF藤原優大の覚悟

2020年12月19日 安藤隆人

U-19とU-18の代表合宿で感じたレベルの違い

U-18日本代表でも持ち前の対人プレーや空中戦の強さを見せる藤原。U-19日本代表にも選出される逸材だ。写真:安藤隆人

 12月13日から16日までの4日間、千葉県内で行なわれたU-18日本代表合宿において、青森山田高のキャプテンであり、来季の浦和レッズ入りが内定しているCB藤原優大は強い自負と自覚を持って臨んでいた。

 今回の合宿は、来年3月にU-19アジア選手権を控えるU-19日本代表の影山雅永監督が、現在高3の選手をメインに招集して行なわれた。多くのJ内定者が顔を揃えたが、U-19日本代表候補合宿にも参加経験のある者は、藤原を含めてごくわずか。

「U-19日本代表に呼んでもらって、レベルが1つ2つ違うと肌で感じましたし、あの代表合宿を経験させてもらったからこそ、自分の代で力を発揮しないといけないと自分に言い聞かせてやっていました」

 率先して声を出し、最終日の紅白戦では最終ラインで対人や空中戦の強さを発揮する一方で、積極的な縦パスなど攻撃のスイッチを入れる役割にも意欲的に取り組んだ。

「ディフェンスラインからの組み立ては今年1年間、自チーム(青森山田)でも意識してやっていたので、そこで少しは成長できたかなと思っています。ただ、まだボールを動かすところ、数十センチのポジショニングだったり、どのような質のパスを出すかなど、細かい部分が足りないので、これは逆にもっと成長できるなとポジティブに捉えています」

 他にも意欲的に臨んだ理由があった。それはこの場を提供してくれたサッカー協会をはじめとしたスタッフなど関係者に対してと、選手権の約2週間前という重要な時期に送り出してくれた青森山田への感謝の気持ちだ。

「本当にトップトップの選手と戦う機会がなかった中で、こういう場に呼んでもらえることで、大きな刺激とトップレベルを感じることができる。こんな大変な状況下でもこうして合宿を開いてくれたことで、課題も見つけることができて本当に感謝をしています。それにチーム(青森山田)も選手権に向けて詰めていきたい部分を、きちんとやりたい時期だと思うのですが、僕と玖生をこういう場に行かせてくれたことにも感謝をしています」
 

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