先輩たちに続け…関西学院大FW山見大登のG大阪入りの裏側にある、山本悠樹の存在

2020年12月10日 竹中玲央奈

建築士を志し、サッカーは高校でやめようとしていた

関西学院大から2022年のガンバ大阪入団が内定した山見。写真:竹中玲央奈

 ガンバ大阪に所属する関西学院大OBと言えば、高尾瑠と山本悠樹が主力として活躍しているが、またひとり同大から有望な人材が西の名門の一員となる。

 12月7日にクラブから仮契約が発表された山見大登は、間違いなく今の大学サッカーを代表するタレントだ。2018年天皇杯で関西学院大がG大阪を下した際、決勝点を決めた人物でもある。

 山見はG大阪のホームタウンである吹田市の西に位置する豊中市の北部、万博記念公園まで自転車移動ができる圏内で育った。

「地元ですし、親がすごいガンバファンで。小さい頃からテレビをつけたら試合をしていたチームです」
 G大阪入りを決めた理由を彼に問うと、最初にそんな言葉が出てきた。名古屋からもオファーがあったが、"身近にあり、応援してきたチーム"という背景は、今回の決断を左右する非常に大きな要素だったと言えるだろう。

 前述した通り、1年次の天皇杯で結果を残してからその成長は留まることなく、関西学生リーグで見せるインパクトの大きさは絶大だった。いくつかのJクラブのスカウトもその頃から目をつけ「モノが違う」と筆者に漏らしていたこともある。

 ただ、彼はもともとプロを強く志していたわけではない。

 大阪学院高校時代に在籍していたのは特進コースで、理系を選択し、技術士である父親の影響もあり建築士を志していた。絶対的なストライカーとしてチームを牽引してきたが、大学進学と同時にサッカーを辞めようと思っていたのである。

 しかし、そこにストップをかけたのが大阪学院高の小野原明男監督である。「サッカーはもうやらないです」と発した山見に対し「それはありえない。お前は絶対に強豪で続けるべきだ」と力説し自身の母校である関西学院大を繋いだのである。
 

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