海外で活躍するために、カズからの金言「チームが木だとすれば…」【斉藤光毅インタビュー|後編】

2020年12月10日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

「欧州の舞台で“ゾーン”に入った良いプレーを披露できれば…」

斉藤光毅(左)と三浦知良(右)。移籍会見では、カズから斉藤へ激励のメッセージも送られていた。写真:滝川敏之

 11月12日に行なわれた移籍発表会見で、横浜FCの服部健二ゼネラルマネージャーは、斉藤光毅のロンメル移籍について、こんなことを明かしていた。

「ひとつ前の年代から、U-20ワールドカップに出場していたのもありましたので、正直、多くのクラブが興味を持ってくれていました。欧州5大リーグと呼ばれているなかのクラブはもちろん、育成に長けているベルギーやオランダのチームからも興味・関心があったのも事実です。

 ロンメルさんは、シティグループの傘下ということもありまして、非常に緻密なスカウト網のなかで選手を発掘してきたクラブです。シティグループとしては、2019年のU-20ワールドカップの時から興味を持って彼の調査を始めたと聞いています」

 U-20ワールドカップでの斉藤のプレーは、おそらく世界のスカウトの琴線に触れるパフォーマンスだったのだろう。そうでなければ、斉藤がさらに多くの複数クラブから興味を持たれ、ロンメルへの完全移籍を勝ち取ることもなかったはずだ。

 しかしながら当の本人は、なんともあっけらかんとしていた。

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――移籍発表会見での服部GMの話によると、U-20ワールドカップを機に、さらに多くのクラブから興味を持たれるようになったんですね。

「はい、たぶん貪欲にドリブルを仕掛ける姿勢を見てもらえたんだと思いますけど……。僕としてはそのプレーだって、悔しさしか残っていないので……」

――確かに思い返せば、初戦のエクアドル戦後には、外国人と日本人では足のリーチで差があって「いつもだったら通用しているドリブルも引っかかった」と話していた。

「悔しいのは、それのことです。だから、U-20ワールドカップで好パフォーマンスを見せられた実感はないんですよね。それでも関心を持ってくれたクラブが増えたということは、欧州の舞台で"ゾーン"に入った良いプレーを披露できれば、逆にもっとたくさんのクラブが興味を示してくれる可能性があるとも思いました」

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