前回8強の昌平が埼玉2連覇を達成!指揮官は「また埼玉スタジアムへ戻ってきたい」と全国優勝への想いを明かす

2020年11月16日 河野正

初の決勝進出となった武蔵越生に3-0で勝利

2年連続4度目の選手権出場権を掴んだ昌平。Jリーグ内定者4人を抱えるタレント軍団だ。写真:徳原隆元

 第99回全国高校サッカー選手権埼玉大会最終日は15日、埼玉スタジアムで昌平と武蔵越生による初顔合わせの決勝が行なわれ、昌平が3-0で快勝し、2年連続4度目の優勝を遂げた。2連覇は第94、95回大会の正智深谷以来となる。昌平は2月の新人大会準決勝でも武蔵越生を5-0と圧倒していた。

 前年度の全国高校選手権で初めて8強に進んだ昌平は、2年生ながら当時から主力を担った4人が来季Jリーグ入りする。主将のMF須藤直輝とMF小川優介がJ1鹿島アントラーズへ、FW小見洋太がJ2アルビレックス新潟へ、MF柴圭汰はJ3福島ユナイテッドFCへの加入が内定。このほか快足ドリブラーのサイドバック小澤亮太(3年)をはじめ、前回の全国高校選手権3回戦で決勝点を挙げた篠田大輝、サイドで攻撃を組み立てる平原隆暉の両2年生MF、1年生で唯一先発するMF荒井悠汰ら、Jリーグ入りする4人にいずれ劣らぬ人材がめじろ押しだ。

 武蔵越生は旧校名の私立越生時代、Jリーグ清水エスパルスなどで活躍した元日本代表MF安藤正裕を擁した第69回大会など、ベスト4に過去3度進出しながらいずれも準決勝で敗退。学校創立68年目の今回、初の決勝に駆け上がったが、昌平の個の強さとチーム力に屈した。

 立ち上がりから圧倒的にボールを支配した昌平は、外から中から自在に攻め込んで小見や須藤らが何度も決定的なシュートを放った。しかし決勝まで1失点の堅陣を誇る武蔵越生の粘り強く忠実な守備に手を焼き、今大会4試合目で初めて前半を無得点で折り返した。藤島崇之監督は「個では勝負していたが、組織としてできていなかった」と振り返る。

 それでも後半2分、小見の右クロスを平原が頭で合わせて先制。6分には荒井のパスを小川が蹴り込み、小見の鋭い左クロスをきっかけに平原が決めた11分の3点目で勝負をつけた。一気呵成に9分間で3得点するあたりは昌平らしかった。

 小見の4ゴールに次ぐ今大会3得点をマークした平原は、6月からレギュラーに昇格。「シュートは常に意識しているが、3点も取れるとは思いませんでした」と喜び、「優勝に貢献できてうれしいけれど、日本一という目標も達成したい」と早速全国の大舞台に目をやった。
 

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