【日本代表|序列考察アタッカー編】堂安不在…絶好調の伊東も魅力だが、久保の右サイドでの本気を見たい!

2020年11月13日 元川悦子

右サイドは多彩な候補者が“大渋滞”を引き起こしている状況

日本代表2列目の右サイドを担うと目される4人。左上から時計回りに、伊東、久保、三好、浅野。写真:サッカーダイジェスト写真部、Getty Images

 11月9日からオーストリア・グラーツで調整を行なってきた日本代表。いよいよ今日13日に初戦・パナマ戦に挑む。森保一監督は「10月よりもさらに11月の活動でコンセプトの共有、レベルアップを図るとともに、まずは明日のパナマ戦で勝利してみなさんに喜んでいただきたい」とコメント。さらなるチーム力向上を目論んでいる。

 前回シリーズで突きつけられた最大の課題が得点力不足だろう。コートジボワール戦(ユトレヒト)では植田直通(セルクル・ブルージュ)のロスタイム劇的ヘディング弾が決まって辛くも勝利したが、残念ながら攻撃陣は決め手を欠いた。

 2試合通してタテへの推進力を前面に押し出し、好印象を残した伊東純也(ゲンク)が「もっと多くチャンスを作ることも大事だけど、相手が強くなると難しくなるので、少ないチャンスをいかにモノにするか。最後の精度のところが大事になると思います」と課題克服のポイントを強調した通り、まずは攻撃バリエーションを増やすことが前進への第一歩と言っていい。

 こうしたなか、気になるのは選手の起用法ではないか。大迫勇也(ブレーメン)不在の最前線はコートジボワール戦で爪痕を残した鈴木武蔵(ベールスホット)を据えることになるだろうが、問題は2列目。これまでの序列だと、右から堂安律(ビーレフェルト)、南野拓実(リバプール)、原口元気(ハノーファー)がファーストチョイスだったが、今回は堂安が不在。南野も所属のリバプールで直近3試合出番なしと停滞中だ。原口は絶対的地位を確立しているから問題ないが、右とトップ下は流動的。コートジボワール戦で持ち味を発揮した伊東、鎌田大地(フランクフルト)を再び配置し、連係面を研ぎ澄ませながらゴールに迫っていくのも一案かもしれない。

 ただ、右に関しては、多彩な候補者が"大渋滞"を起こしている状況。1年ぶりに代表復帰した浅野拓磨(パルチザン)もクラブではここを主戦場にしているし、2017年8月のオーストラリア戦でロシア切符を引き寄せる先制弾を挙げた時も右だった。久保建英(ビジャレアル)はクラブでは2列目全ポジションで使われているが、右でフル出場したマッカビ・テルアビブ戦ではゴールに絡むなど異彩を放ち、ここが適正ポジションであることを窺わせる結果となった。三好康児(アントワープ)も右要員としてコンスタントに出場し、調子を上げている。森保監督も選択肢が多すぎて頭を悩ませているのではないか。
 

次ページスピード系の伊東と浅野、テクニシャン系の久保と堂安、三好を柔軟に使い分けたい

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事