【日本代表|序列考察ボランチ編】遠藤、橋本が所属先で絶好調! 森保Jは柴崎依存から脱け出せるか?

2020年11月12日 元川悦子

ドイツでデュエル勝率トップの遠藤とロシアですでに5得点の橋本

今回招集された日本代表のボランチ陣4人。左上から時計回りに、柴崎、遠藤、橋本、中山。写真:サッカーダイジェスト写真部

 11月オーストリア遠征の初戦・パナマ戦が明日13日に迫ってきた。そこで注目されるポジションのひとつがボランチだ。

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 10月オランダ2連戦を振り返ると、カメルーン戦は柴崎岳(レガネス)と中山雄太(ズウォーレ)が組み、コートジボワール戦では柴崎・遠藤航(シュツットガルト)の同学年コンビがプレー。森保一監督から「中盤の軸」と位置付けられている柴崎は2戦を通して及第点のパフォーマンスを見せたが、それ以上に中山と遠藤が大きなインパクトを残したと言っていい。

 とりわけ、遠藤はドイツ・ブンデスリーガ1部初参戦の経験と実績をそのまま代表戦のピッチに持ち込んだ形だ。今季ブンデス1部トップのデュエル勝率を記録する通り、屈強なアフリカ勢相手に全く負けておらず、攻撃の起点となるパス出しの意識も非常に高かった。

「ブンデス1部は球際の強さもあるし、個の能力の高い選手が多い。ドリブルやアプローチのスピードも速いし、特に中盤のインテンシティが非常に高い。『自分の求めていた環境だ』と思いながら、今はやっている感じです」と本人も目を輝かせながら語っていた。その後の1か月間も好調を維持し続けている。この実情を踏まえると「柴崎・航コンビ」のファーストチョイスは続きそうだ。

 彼ら2人に割って入る可能性があるのが、ロシア移籍後初参戦の橋本拳人(ロストフ)ではないか。2019年9月に始まった2022年カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選ではミャンマー、タジキスタンの両アウェー戦にフル出場。当時の序列では遠藤と同等と目されていた。その後、遠藤がシュツットガルトで絶対的地位を確立し、目覚ましい成長を遂げたため、一歩リードされる形になっていたが、橋本自身も今年8月の海外挑戦でタフさを増している。ポジション的にやや前目で起用されていることもあるが、すでに5得点とFC東京時代以上にハイペースでゴール数を記録。今の日本代表に足りない決定力を備えたボランチとして存在感を高めつつある。その橋本を森保監督がどのように起用するのか。そこは11月2連戦の見どころと言っていい。
 

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