世界を見据え、チームを“勝たせられる”選手に【インタビュー|安永玲央/横浜FC】

2020年11月07日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「試合に出たら“やってやるぞ”と」

PROFILE やすなが・れお/2000年11月19日生まれ、東京都出身。177センチ・72キロ。やはたFC―川崎U-15―横浜FCユース―横浜FC―富山―横浜FC。J1通算11試合・0得点。J2通算2試合・0得点。J3通算2試合・0得点(11月7日現在)。(C)J.LEAGUE PHOTOS

 目覚ましい成長を見せている赤丸急上昇の逸材だ。

 横浜FCでプロ2年目を数える19歳のボランチ、安永玲央。ルーキーイヤーの昨季はレンタル先のJ3の富山でも思うように出場機会を得られず、復帰した今季もシーズンの序盤戦は難しい時間を過ごしていたが、夏場に入ってから徐々に評価を高め、現在はレギュラーポジションを掴むまでになった。

 豊富な活動量をベースに、惜しみないハードワークとテンポの良いパスワークでチームを活性化。試合を重ねるごとに逞しさを増している俊英の現在地に迫る。

――◆――◆――

――富山からレンタルバックしたプロ2年目の今季、どんな意気込みでシーズンに臨みましたか?

「富山にいた期間は3か月半ぐらいですが、その間に自分を見つめ直したというか、いろいろなことを考える時間が増えました。それで今シーズンは本当に、横浜FCに戻って絶対に試合に出るっていう気持ちは強かったです」

――富山では、どんなことを考えられていたのですか?

「自分が富山にいる時に、同世代の活躍だったり、横浜FCの戦いぶりが情報として入ってくるなかで、富山で自分は試合に絡めていなかったり、チームに貢献できていなかった。今の自分には何ができるのか、活躍しているみんなとの違いとかを考えていました」

――答えは見つりましたか?

「見つかったかどうかは分かりませんが、当時はサッカーに割く時間がそこまで長くなかったんじゃないか、と。もっとその時間を増やさないと、と思いました」

――新たな気づきがあった貴重な3か月半でしたね。

「そうですね、自分にとっては大きな時間でした」
――横浜FCに戻った今季、コロナ禍によるリーグ中断もありましたが、再開後はしばらく出場機会を掴めずにいました。その時期をどう振り返りますか?

「試合に出ていないぶん、身体を追い込めるというか、身体作りができる期間だと思ったので、積極的にトレーニングに取り組んでいました」

――試合に出られなかった理由をどう考えますか?

「まだ仲間や監督の信頼を十分に得られていなかったり、単純に技術や能力の部分ではないでしょうか」

――ただ、8月にはルヴァンカップで2試合に先発フル出場しました。

「積極的に自分を追い込んで、身体作りをしていたなかでのルヴァンカップでした。試合に出たら"やってやるぞ"という気持ちが強くて、そこで良いプレーはできたし、自分の中では予定どおりではありました」

――そして9月に入ってから状況は一気に好転。14節の鳥栖戦でベンチ入りして、それ以降はボランチのレギュラーに定着しました。

「コンディションの面でも、メンタル的にも整っていました。ピッチに立てば、自分に与えられた役割はある程度、こなせていると思います。今まで培ってきたものがあるので、求められている仕事はコンスタントにできているはずです」

――下平(隆宏)監督からはどんな声掛けや指示があったんですか?

「ハードワークをして、ボールを奪って、前に運んだり、展開するのは求められている部分です。ボールに厳しく行くとか、そういうチームのためになるプレーですね」

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