久保建英“冷遇”の真意は? 渦中のエメリ監督に直撃!「タケにはカガワらを超える才能がある。だが…」【独占インタビュー】

2020年10月15日 ハビエル・マタ

上から目線でビジャレアルやエメリ監督に向けて批判キャンペーンを展開

エメリ監督(左)が久保についての本音を語ってくれた。(C) Getty Images

 喧騒やスポットライトとはかけ離れたところに位置し、平穏なクラブとして名高いビジャレアルがここ数週間、メディアの主役になっている。焦点となっているのはタケ・クボ(久保建英)の起用を巡る論争だ。

 とりわけ批判のやり玉に挙げられているのがラ・リーガ開幕5試合を経過して一度もスタメンに起用していないウナイ・エメリ監督だ。パリ・サンジェルマン時代にはキリアン・エムバペ、ネイマールという2人のワールドクラックを共存させる難易度の高いミッションに取り組んだ指揮官であるが、まさかビジャレアルでこのような騒動に巻き込まれるとは考えていなかったに違いない。

 タケの待望論には大別して2つの種類がある。一つは出身国の日本から起こっているもの。タケが試合に出場して活躍することを望み、現地の動向を注視しているが、その大半はリスペクトを伴った声で、距離もあるため大きな反響を得るまでには至っていない。

 問題は首都マドリード発のもう一つのほうだ。マドリードは言うまでもなくタケのレンタル元であるレアル・マドリーのお膝元だ。何かにつけ誇張して報道する傾向のある彼らは今回の件でも持ち前のメディアパワーを発揮。「天下のマドリーが貸し出した近未来のスターを冷遇するとは何事か」という上から目線で、ビジャレアル、とりわけエメリに向けて批判キャンペーンを展開している。

 なかには、このまま出場機会に恵まれない状況が続くようなら、シーズン途中でのレンタル移籍の打ち切りという法的に根拠のない話を持ち出すところもあるほどだ。もちろん全てとは言わないがヒステリックな論調も少なくなく、そのスタンスからはビジャレアル、エメリ、そしてビジャレアルの選手たちへのリスペクトが明らかに欠如している。
 
 折しもいまはインターナショナルウィークで、ラ・リーガは一時中断しており、タケを巡るニュースはその隙間を埋めるための格好のネタになっている。しかし言うまでもなくこのような外部からの圧力はタケにとって何の得にもならない。サッカー選手の本分はあくまでピッチ上で活躍を見せることであり、それ以外のところで話題になることは彼自身にとっても本意ではないはずだ。

 とはいえ、そんな周囲の喧騒をよそに、ビジャレアルの首脳陣の間でタケが重要な選手になるという確信は揺らいでおらず、その中心にいるのはもちろん育成プランを練りながら日々の指導に当たる監督のエメリだ。

 このたび「サッカーダイジェストWeb」は、渦中の指揮官にインタビューを行なった。エメリ監督はその中でタケへの厚い信頼感を示すと同時に、一段ずつ階段を駆け上がることの重要性を強調。マドリーでプレーするという将来の目標を達成するためにも、このビジャレアルでの挑戦に全力を注ぎ込み、成果を挙げてもらいたいと愛情に満ちたエールを送った。では、その一部始終をお届けしよう。

【動画】ポルトガル代表DFを翻弄!久保建英が披露した圧巻のドリブル突破はこちら
 

次ページ「日本国民は最高峰のクラブで活躍する選手の出現を待ち望んでいる」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事