【マドリー番記者】が究明――レアル・マドリーが不振に陥った3つの理由

2015年03月13日 パブロ・ポロ

気の緩みと「BBC」の失速。

CLシャルケ戦で2ゴールを挙げるなど復調の兆しは見えた。マドリーの不振脱出にロナウドの完全復活は欠かせない。 (C) Getty Images

 レアル・マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長はさる日曜日、68歳の誕生日を迎えた。しかし、幸せな気持ちで祝うことはできなかった。
 
 息子たちと囲んだ誕生日のディナーテーブル、そこでの話題はひとつだった。
 
 いったい、マドリーはどうしてしまったのか――。無敵の快進撃を続けていたチームが、一転、勝てなくなってしまったのはなぜなのか。
 
 ディナーの席で明確な答は見つからなかった。代わりにあったのが希望的観測。次のチャンピオンズ・リーグ(の試合)では、強いマドリーが戻ってくるだろう。そんな都合のいい期待だった。
 
 案の定を言うべきだろう。その2日後、彼らの願いははかなく打ち砕かれる。CLシャルケ戦(決勝トーナメント1回戦・第2レグ)、マドリーは3-4で敗れた。トータル5-4で辛くも準々決勝に勝ち上がったものの、その戦いぶりは今シーズン最悪とも言えるものだった。
 
 その夜のベルナベウを包んだのは、激しいブーイングと溜息だ。喝采が贈られた先は、最後まで勇敢に戦ったシャルケだった。
 
 デシマ(10回目のCL優勝)の達成から10か月、マドリー低迷の理由は何か。
 
1)精神的な弛緩
 
 危機が本格化する2月中旬、ある選手(もちろん、名前を出すわけにはいかない)がこんな話をしてくれた。
「年末の時期に勝ちすぎたことで、チーム内に緩みというか、リラックスしたムードが出来てしまった。普通にやればどんな相手にも勝てる。そんなフワッとした空気に包まれてしまったんだ」
 
 歴史的な公式戦22連勝とクラブワールドカップ優勝――。この2つの達成が過信と気の緩みを招いたのである。
 
 折悪しく、ここに冬期休暇が重なった。「自分たちは強い」という思いのままバカンスに入り、弛緩した空気を引き締め直すことができないまま、後半戦を迎えてしまった。
 
2)「BBC」の急激な失速
 
 好調時を振り返れば、決定機の過半数はベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ(ロナウド)の3人、いわゆる「BBCトリオ」が作り出していた。
 
 この3人が3人とも、今年に入って調子を落とした。
 
 ロナウドはゴールがピタリと止まり、トップを独走していた得点ランキングでメッシに並ばれた。12点差を一気に詰められたのである。フィジカル、メンタルの両面でロナウドはコンディションを落としている。
 
 ベイルもゴール欠乏症に陥り、7試合連続ノーゴール。爆発的な縦への突破も影を潜め、守りに貢献するハードワークもない。唯一好プレーを見せていたベンゼマも、ここ最近はゴールから遠ざかっている。
 
 失速を裏付けるデータがある。BBCの1試合平均得点だ。14年の2.6点から15年は1.5点に低下している。
 
 
 
 

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