【川崎】悔しきルヴァンカップ敗退から見えたリバウンドメンタリティ。小林悠らが語ったチームの成長ぶり

2020年10月10日 本田健介(サッカーダイジェスト)

大会連覇、3冠の夢は潰える

率直な想いを語ってくれた小林と大島。仙台戦へ気合いを漲らせている。(C)SOCCER DIGEST

[ルヴァンカップ準決勝]川崎0-2FC東京/10月7日/等々力

 10月7日に行なわれた川崎とFC東京のルヴァンカップ準決勝。試合終盤、焦りからか、精巧で緻密だった川崎のパスワークの狂いがさらに増していく。雨が降りしきるなか、2点のビハインドを追うイレブンは突破口を見い出せないまま、もどかしさを募らせる。

 6分と表示された後半アディショナルタイムも刻一刻と進み、試合終了のホイッスルが夜空に溶けた。新型コロナウイルスの影響により、一発勝負となったレギュレーション。大会連覇、3冠の夢が潰えた瞬間であった。

「自分たちの良さを出せずに、相手の良さを出させてしまった」

 FW小林悠が振り返ったように、堅い守備ブロックを築き、奪えばカウンターを狙うFC東京の術中にハマった印象で、スペースを消された相手のゴール前では自慢の華麗な崩しも示せなかったのだ。

 圧巻の強さを誇示する今季の川崎は、公式戦25試合を戦ってわずか1敗。リーグ12節の名古屋戦に0-1で敗れたのみだった。だからこそリーグ、ルヴァンカップ、天皇杯の3冠も現実的な目標に見えたが、やはりそう簡単な道ではなかったということだろう。

 名古屋戦は連勝がストップしたゲームではあったとはいえ、リーグ戦のなかでの一試合。一方、ルヴァンカップは目標にしていた大会であり、決勝目前での敗戦という面を含めてショックは大きいことが窺える。

 
 一夜明け、オンライン取材に答えてくれた選手たちも悔しを滲ませる。大島僚太は「連覇を目指してチーム一丸となって、試合に絡む選手、絡めなかった選手全員で、この試合に向けて準備してきたので、皆で決勝にいきたかったですし、連覇したかった想いは強いので、今回の敗戦はチャンスとチャレンジが終わってしまったという意味では残念ですし、ショックが大きいという印象ですね」との正直な想いを話してくれた。

 もっとも頼れる10番は、反骨心も持ち合わせ「もちろんやり返したい想いはあります。まずは(次戦の)仙台戦に勝ちたいですし、ホームで喜びを届けたいです」と力強く語る。

 さらにストライカーの小林にも話を訊くと、切り替えの重要性を説く。

「ルヴァンカップに関しては終わってしまったので、僕は明後日(仙台戦)の試合に切り替えられているというか、いつもは試合が終わったら映像を見返すんですが、昨日(試合当日)は見ずに早く寝て、次の試合に備えました。後悔や反省は個々であると思いますが、それを言ってられない中2日という日程なので、連戦が終わったら、日程が少し開くと思うのでFC東京とはもう一試合ありますし、映像はそこで見返したいです」

 そして経験豊富な男は、頼もしくこう続けてくれた。

「今は前みたいにチームのことを考えて声をかけるというよりは皆、成長しています。しっかり切り替えられると感じます。練習の雰囲気が暗かったら盛り上げようと思いますが、もうそういうチームではない。一人ひとりが成長しているので、そういう心配はないと思います」
 

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