「4度死んで、4度生還した」ミランがEL予選突破を決めた、計24本の“壮絶すぎる”PK戦に衝撃!「狂気の夜だ」

2020年10月02日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

土壇場のPKで同点に追いつく

壮絶なPK戦を制し、GKドンナルンマ(右端)に駆け寄るミランの面々。(C)REUTERS/AFLO

 敗退寸前まで追い込まれながらも、最後はヨーロッパリーグ(EL)本選出場権を獲得した。

 ミランは10月1日のEL予選プレーオフでリオ・アベと対戦し、120分を2-2で終え、PK戦を制してグループステージ出場を決めた。昨シーズンは、ファイナンシャルフェアプレー違反でELに出場できなかったミランにとって、2年ぶりに欧州カップ戦の本選出場となる。

 チームとクラブ、そしてサポーターにとっては、薄氷を踏む思いの勝利だ。アレクシス・サーレマーケルスのゴールで51分に先制したミランだが、72分に追いつかれて延長戦に持ち込まれると、91分に逆転弾を献上。時間は過ぎていき、ついにアディショナルタイムに突入した。

 だが、ここで相手のハンドによりPKを獲得。これをハカン・チャルハノールが決め、かろうじてミランは生き延びる。そしてPK戦は、史上稀に見る激戦となった。

【動画】両GKのキックは酷すぎる?計24本の歴史的PK戦の模様はこちら
 スタートから7人目までは両チームともに成功。8人目、ミランはロレンツォ・コロンボがクロスバーの上に外してしまう。だが、リオ・アベもネウソン・モンテのPKが両サイドのポストを順番に叩き、ゴールラインを越えない。

 9人目は互いに成功し、10人目。ミランは守護神ジャンルイジ・ドンナルンマが名乗り出るが、再びクロスバーの上に蹴ってしまう。ところが、リオ・アベGKパベウ・キェシェクもお付き合い。同じくボールはクロスバーを越えた。

 負の連鎖はまだ終わらない。11本目、ミランは1人目のイスマイル・ベナセルが再登場(相手に退場者が出たため、10人でPK戦を実施)。1度目は決めたが、今度はキェシェクに止められる。しかし、リオ・アベもフランシスコ・ジェラルデスのPKがポストに嫌われ、決着がつかない。

 そして迎えた12本目、ミランはシモン・ケアがネットを揺らす。そして今度はドンナルンマがサントスのPKをセーブ。計24本という長丁場のPK戦に終止符を打った。ちなみに、リオ・アベの食野亮太郎はベンチから外れている。

 延長戦でビハインドを背負ったままアディショナルタイムを迎え、PK戦でも3度にわたって先に失敗しながら生き残ったミラン。イタリア紙『Gazzetta dello Sport』は、電子版で激闘をこう伝えた。

「ミランの狂気の夜を説明するのに正しい言葉を用いるのは難しい。ミランは4度死んで、4度生還し、素手でエベレストを登頂したかのように、ELグループステージにたどり着いた」

 ミラン専門サイト『il milanista』によると、SNSには次のようなサポーターの投稿が寄せられた。

「ネットフリックスのシリーズが3シーズンできる」
「オレはミラニスタ。病院に運んでくれ。今すぐにだ」
「これまで見た中でもっともバカげた試合。信じられない」

 いずれにしても、ミランは新型コロナウイルスに感染したズラタン・イブラヒモビッチや、出場停止のアンテ・レビッチを欠きながら、予選の3ラウンドを突破した。欧州の舞台でかつての黄金期のような輝きを見せられるのか。グループステージでのミランに注目だ。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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