【ゼロックス杯|G大阪レポート】「戦術・パトリック」には改善の余地も。

2015年02月28日

ACLでの敗戦を受けて修正した守備は及第点以上。

丹羽(中央)を中心とする守備陣は、「中をしっかりと締めれば、浦和はサイドからクロスを上げるしかないと思っていた」と狙いどおりに浦和の攻撃を撥ね返した。(C) SOCCER DIGEST

 良くも悪くも、昨季の三冠王者らしい戦いぶりだった。前半のG大阪はシュート1本しか放てず、大半の時間で浦和にボールを保持された。後半も主導権は浦和側にあり、ペトロヴィッチ監督が「80分以上は我々が支配していた」と豪語したのも頷ける。

【ゼロックス杯】PHOTOハイライト|G大阪 2-0 浦和
 
宇佐美が「レッズとやる時はああいう展開になる」と振り返るように、ある程度、押し込まれる展開は織り込み済みだったという。とはいえ、長谷川監督は「前半からアグレッシブに行く展開を思い描いていたが、レッズの切り替えが早かった。前線で上手く起点を作れず、ああいう展開になった」とコメント。2トップの一角で起用された新戦力の赤嶺にボールが収まらず、本来の狙いとは違う展開だったと明かしている。
 
 ただ、それでも慌てないのがG大阪の強みでもある。出色のパフォーマンスを見せた丹羽は、手応えをこう口にした。
 
「試合が終わった後にヤットさん(遠藤)とも話をしたけど、苦しい時間帯でも後ろが耐えれば、点は取れるという信頼感がある。『去年の終盤戦はこういう戦い方ができていたな』と、思い出しながらプレーしていた」
 
 この日、浦和はあるテーマを持って取り組んでいた。「今日はボールの回し方を変えて、中盤を厚くする狙いがあった。こぼれ球を拾って、ボールを保持するという点では、ある程度できた」(槙野)。その点において、G大阪が後手を踏んだのは間違いない。しかし、「中をしっかり締めれば、浦和はサイドからクロスを上げるしかないと思っていた」(丹羽)というG大阪の対応力が、浦和の狙いを上回った形と言える。
 
 ACLのグループステージ初戦で中国の広州富力に0-2と敗れたが、そこからメンバーを入れ替えて、ボランチに明神を起用。的確に守備の修正を施したあたりは、やはり長谷川監督の手腕だろう。

次ページ「始まったばかりにしては合格点」(遠藤)だが……。

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