2020年の“リアル”南葛SCが追求する魅力的なサッカーと関東リーグ昇格――東大樹キャプテンが探し求める答えとは

2020年08月11日 伊藤 亮

「他チームを呼んで葛飾区でゲームをした時に楽しいと感じました」

今回インタビューに応じてくれたキャプテンの東。2018年に加入して3年目を迎える。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 東京都の緊急事態宣言が解除され、リーグ戦の日程も決まった。不測の事態があったとはいえ、南葛SCの2020年の目標は変わらない。
「関東リーグ2部絶対昇格」

 今シーズンは例年に比べ困難も倍増したと言わざるを得ない。それでも勝ち抜くためにチームで共有すべき思いとは、そして導き出したい答えとは――。東大樹キャプテンの声に耳を傾けてみよう。

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 新型コロナウイルス感染拡大における東京都の緊急事態宣言が解除されたのが5月25日。それから約1週間後の6月2日。南葛SCは約2か月ぶりにグラウンドでの練習を再開した。

「解除されたからといっても、依然不安の残る選手もいました。そこはスタッフにも事情を考慮していただき。当然、みんなのコンディションはバラバラでした。でも楽しかったですね。僕はいろんな人としゃべるのが好きなので。ソーシャルディスタンスを保つためにグラウンドを4分割しての練習だったかな? 距離さえ保てば話してもいいでしょう、と思って会話しながらトレーニングしていました」

 そう語るのは南葛SCの2020シーズン新キャプテン・東大樹。久しぶりにチームメイトとサッカーボールを蹴る練習は楽しかった。そして、試合ができるようになった時はさらに嬉しさがこみ上げたという。

「練習再開から2週間くらいしてからだったと思いますが、練習試合を行なったんです。みんなが集まってゲームができるようになって、さらに他チームを呼んで葛飾区でゲームをした時に楽しいと感じました。『これで俺の役目終わったな~』なんて笑い話して(笑)。試合に辿り着くまでにステップを踏みながら近づいていったので、その間のことを思い出しながら出た感覚、言葉でした」

「これが公式戦になったら、より楽しさは増すはず」と言っていたが、一方で南葛SCにとって2020年シーズンは不退転の覚悟で臨む勝負のシーズンである。

 東京都社会人サッカーリーグ1部に昇格した2018年、いきなりダントツの成績で優勝するも、関東リーグ昇格をかけた関東社会人サッカー大会は準々決勝で敗退。翌2019年は元日本代表の福西崇史を新監督に迎え大型補強を敢行するもリーグ7位。ちょうど2018年から南葛SCに移籍してきた東にとっても忸怩たる思いがあった。
 

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