久保建英が加入したビジャレアルってどんなチーム? 人口5万人の街から欧州の4強に進んだ“奇跡のクラブ”

2020年08月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

セレッソでプレーしたフォルランは得点王に

リーガで安定した成績を残し、欧州カップ戦の常連となっているビジャレアル。久保の加入でどんな効果がもたらされるか。(C) Getty Images

 現地時間8月10日、日本代表MF久保建英のビジャレアルへの1年のレンタル移籍が正式に決定した。

 レアル・マドリーから武者修行に出たマジョルカで鮮烈なラ・リーガデビューを飾った19歳は、1部残留が目標のチームから、チャンピオンズ・リーグ(CL)出場権確保(4位以内)を目指すチームへ、ステップアップを果たしたことになる。

 バレンシア州にあるビジャレアルは、人口わずか5万人ほどの小さな街だ。そのため、クラブの規模では言えば"中小"の域を脱しない。

 だが、いまや欧州カップ戦の常連であり、2005-06シーズンにはCLで、15-16シーズンにはヨーロッパリーグでともにベスト4に進出するなど、ラ・リーガの中では強豪と呼んでもおかしくない結果を残している。これは奇跡的といっても過言ではない。

 ホームスタジアムである「エスタディオ・デ・ラ・セラミカ」のキャパシティーは、約2万5000人。街の人口の約半分がスタジアムに駆け付けることもある。愛称はチームカラーの黄色と、ビートルズの名曲にちなんで「イエローサブマリン」。スタジアムでこの曲が流れることでもお馴染みだ。
 
 創立は1923年。長く下位リーグを戦っていたクラブの転機となったのが、タイルメーカーやスーパーマーケットの経営などで財を成した実業家のフェルナンド・ロイグ氏が97年に経営権を取得し、会長職に就いたことだ。

 この翌年にいきなり1部初昇格を果たすと、その後は2度(1999年と2012年)の降格があったものの、ともに1年で復帰し、プリメーラに定着している。

 過去に在籍した主な選手には、ともにスペイン代表としてEURO2008制覇に貢献したマルコス・セナとサンティ・カソルラ(19-20シーズン限りで退団)、セレッソ大阪でもプレーした元ウルグアイ代表FWのディエゴ・フォルラン(04-05シーズンにはリーガ得点王に輝く)、アルゼンチン代表で9番と10番を背負ったマルティン・パレルモ&ファン・ロマン・リケルメ、元フランス代表MFのロベール・ピレスなどの名手がいる。

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