川島永嗣所属のストラスブールで感染者が続々発覚…。フランスで高まるリーグ・アン開幕への不安【現地発】

2020年08月11日 結城麻里

閉じこもり作戦は成功したかに見えたが…

8月21日にリーグ・アン20-21シーズンが開幕する予定になっている。 (C)Getty Images

 新シーズン開幕(8月21日)を控えたフランスリーグに、新型コロナウィルスCovid-19感染がじわじわと広がり、不安が漂っている。

 3月中旬で2019-20年シーズンを中断・閉幕したリーグアン。国民全体も厳格な「コンフィンヌモン(閉じこもり)」を実行し、フットボーラーの重大感染も一人の例外を除いてほとんど防いだ。「デコンフィンヌモン(閉じこもり解除)」は5月11日だったが、フットボール界はその後直ちにバカンスに入り、じっくり態勢を整えて新シーズンに備えることにした。

 開幕に向けたトレーニング再開は6月後半。このとき全クラブで実施された厳格なテストでもPCR検査陽性者はほとんどおらず、ほんの数人が直ちに自宅に隔離された以外は、過去に感染して抗体をもっていた選手(感染力なし)が1、2名いただけだった。

 ところが7月中旬になって様相が変わってきた。まずリールで、休日を与えられた直後にレナト・サンチェス、ジョナタン・イコネ、ジョナタン・バンバ、イディ・ウアタラの4人が陽性に。どうやら本人と家族親類や友人が、対人距離キープ、マスク着用、手洗いなどのバリア行動をとりきれず、感染してしまったとみられている。リールはこれを受けて直ちにディシプリンをさらに厳格化、その後の感染を防いだ。
 
 同様の例はナント(3人)とボルドー(1人)にも出現。やはり陽性者が出たリーグドゥのギャンガンでは、即座にトレーニングを打ち切り、トップチーム全員を一斉に14日間の在宅隔離に切り替えて感染をシャットアウトした。

 にもかかわらず、事態は7月末から深刻化した。震源のクラブは日本代表GK川島永嗣も所属するストラスブールである。

 ストラスブールによると、7月23日時点では全員がPCR検査陰性。これにより翌日のフレンドリーマッチ(ニーム戦)もコロナ関連規則を守ったうえで問題なく敢行され、その後ストラスブールはレマン湖畔(フランス側)にあるエヴィアンで開幕プレパレーション合宿に入った。

 そして7月28日、ストラスブールはレマン湖を隔てた反対側(フランス内)にあるディヴォンヌ・レ・バンで、今度はモンプリエとのフレンドリーマッチを行なった。

次ページ各チームの状況は混とんとしている

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