Jリーグに4-3-3の波が到来! 川崎、柏、G大阪など採用チームが成功すれば…

2020年07月03日 西部謙司

Jリーグ再開後の3大注目ポイントを識者がピックアップ!

今季4-3-3を採用するG大阪(宇佐美)、川崎(大島)、柏(オルンガ)。写真:サッカーダイジェスト写真部

 Jリーグは6月27日・28日にJ2が再開、J3が開幕。7月4日には約4か月の中断を経て、いよいよJ1が再開される。過密日程を余儀なくされるなか、「5人交代制」「降格なし」といった今季限定のレギュレーションも採用される異例のシーズンはどのような展開を見せるのか。コロナ禍のJリーグで注目すべき3つのポイントを、スポーツライターの西部謙司氏に挙げていただいた。

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◇選手層

 再開されたJリーグは過密日程になるうえ、夏場の開催にもなる。連戦の疲労があり、累積警告による出場停止、負傷の頻発も十分考えられる。選手交代が5人に拡大されたこともあり、選手層の厚いチームのほうが有利と考えられる。

 選手数からいえば名古屋は最少の29人だが、攻撃陣の層が厚い。マテウス、相馬、山崎、金崎、阿部、シャビエル、前田、青木とローテーションを組むにはうってつけとさえいる陣容だ。

 最大49人のG大阪は2種登録が多いせいもあるが、その2種からポンと飛び出してくる若手に期待したい。46人のC大阪も大所帯。昨季から4-4-2を継続してプレーぶりに安定感がある。選手交代やローテーションにあたって、チームの基盤が出来ていると混乱が少ないため、人海戦術を有効に使えるのではないか。
 

◇4-3-3

 これまでJリーグではほとんどなかった4-3-3を採用するチームが一気に増えた。開幕戦では川崎、柏、鳥栖、G大阪が4-3-3でスタート。FC東京は4-4-2だったと思うが、開幕前の準備は4-3-3だった。

 4-3-3は攻撃型のシステムである。敵陣でプレスを行なうのに向いていて、5レーンを早く埋められる。逆に引いて守備をすると4-5-1になってしまうので攻撃がやりにくくなる。パスワークで敵陣へ押し込んでハイプレスという戦い方を志向するチームに合ったシステムといえる。

 川崎はボールポゼッションとハイプレスを軸とした攻守の要件を満たしていて、開幕戦でも上手く機能させていた。まだ穴も散見されたが期待度は高い。日本人に好選手が多いインサイドハーフを使える4-3-3が成功すると、日本サッカーのポテンシャル発揮にもつながりそうだ。
 

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