マジョルカの元指揮官と現第2監督が語る久保建英の“リアル評”「バルサ出身特有のパスセンスとマドリーの選手らしい…」【現地発】

2020年06月30日 エル・パイス紙

「タケはしょっちゅう質問攻めをしてくる」

レンタル先のマジョルカで、久保はいまや中心選手に成長した。(C) Getty Images

 昨夏に久保建英がマジョルカに加入してから最初の1週間、監督のビセンテ・モレーノと第2監督のダニ・ペンディンは、一抹の疑問を抱いていた。この日本人ニューフェイスが、ロッカールームにスムーズに溶け込めるかどうかという点についてだ。

 現在のマジョルカは、2部B(実質3部)時代からともにプレーしてきた選手たちが主力を占める。一方の久保は、約4年間カンテラに在籍したバルセロナを蹴ってレアル・マドリーを選んだというバックボーンに加え、そのマドリーでのプレシーズンマッチで18歳とは思えない実力を披露し、大きな注目を集めていた。

 ともにマジョルカの残留のために手を携えて戦うことになったが、久保はまるで異なる銀河から舞い降りてきたようなオーラを纏っていた。しかし、ふたりの不安は完全に杞憂に終わった。ダニ・ペンディンが述懐する。

「初めて話をした時に、われわれの不安は吹っ飛んだ。タケの受け答えは、26歳の大人のようにしっかりしていた。わたしには19歳の息子がいるんだが、タケのほうがずっと年上に感じるよ」
 
 さらにダニ・ペンディンは、Bチームの選手を比較対象にしてこう続ける。

「トップチームに選手が不足すると、Bチームから若手を呼ぶ。彼らと話をしていると、こちらをじっと見ているだけで、はたしてわたしが説明した内容を理解しているのか疑問に思うことが少なくない。

 その点、タケはまったく異なる。人の話を注意深く聞き、考え方もオープンだ。しかもしょっちゅう質問攻めをしてくるんだ。セットプレーとかポゼッションとか内容は多岐に渡る。とにかくタケは好奇心が旺盛だよ。ミスをしたくないという向上心の表われでもあるだろう」

 その熱意の甲斐もあって、久保のマジョルカにおける重要性は日増しに高まっている。この第2監督は、「いまやマジョルカに欠かすことのできない選手だ。開幕当初は後半からの途中出場が続いたが、そこでアピールして重要な存在になった」とその成長ぶりに目を細める。
 

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