「左足ミドルが彼の成長の証」パーソナルコーチ・中西哲生氏に訊く“ピピ”中井卓大の成長ぶりとポテンシャル

2020年06月26日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

「下部組織の時には試合に出るのがゴールではない」

現在16歳の中井。身長は181センチとサイズにも恵まれている。(C)SOCCER DIGEST

 サッカーダイジェストWebは、現在「DAZN」で配信中の1995年のJ1セカンドステージ第1節、名古屋グランパス対ジュビロ磐田で解説を務めた中西哲生氏に、インタビューを実施した。

 現役時代はMFとして名古屋と川崎フロンターレでプレーし、現在はスポーツジャーナリストとして活躍する傍ら、マジョルカで活躍中の久保建英やレアル・マドリーの下部組織で研鑽を積む"ピピ"こと中井卓大のパーソナルコーチを務める中西氏に、16歳のMF中井の現状について話を訊いた。

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――中井選手のパーソナルトレーナーを務めるようになったのはいつからですか?

「2年前です。ピピが日本でいう中学3年生の4月に、初めて会って話しました。もちろん僕がずっと、久保建英選手のパーソナルコーチを務めていることもあってのアプローチでした」

――日本に戻ってきた時にトレーニングをやっている?

「はい。『哲生さん、トレーニングやりたいんですが、いつが空いてますか?』と連絡が来ます。パーソナルトレーニングでは基本的に僕がメニューを決めるのではなく、その時に選手から何をしたいのか聞いて、その場でメニューを決めていきます。ただピピの場合は普段マドリードにいて、年に2回しか集中してトレーニングができないので、いまこの年齢で絶対に必要だと思うことがあれば、それをピピに提案することもあります」
 
――中井選手の今シーズンはどういう印象?

「なかなか難しいシーズンだったかもしれません。昨シーズンの監督からは非常に信頼されていて、試合に使われる機会も多く、充実したシーズンを送れました。今シーズンは監督も代わって、また違う形になったので、出場機会も減って、試行錯誤しながらやっている感じでした。

 でも僕は、それをネガティブに捉えてはいません。本人にも話をしたんですが、結局、下部組織の時には試合に出るのがゴールではない。自分が成長することが目的だし、プロになっても成長し続けられる人間となることが重要です。また試合に出られない時にどういう振る舞いをしているのか。この後プロになっても、自分を好んで使ってくれる監督ばかりではありません。そういった時に、どういう意識、どういう練習態度でいられるのか。人間性という部分を、レアル・マドリー側がチェックしている可能性もあります」
 

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