「右足でのゴールは偶然ではなく必然」久保建英のパーソナルコーチ・中西哲生氏が明かす“逆足の2ゴール”

2020年06月20日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

「もう少し周りが決めてくれていたら…」

ここまで3ゴールを挙げている久保。うち2点を利き足ではない右足で奪っている。(C) Getty Images

 サッカーダイジェストは、現在「DAZN」で配信中の1995年のJ1セカンドステージ第1節、名古屋グランパス対ジュビロ磐田で解説を務めた中西哲生氏に、インタビューを実施した。

 現役時代はMFとして名古屋と川崎フロンターレでプレーし、現在はスポーツジャーナリストとして活躍する傍ら、マジョルカで活躍中の久保建英やレアル・マドリーの下部組織で研鑽を積む"ピピ"こと中井卓大のパーソナルコーチを務める中西氏に、久保との出会いや現状について話を伺った。

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――久保選手との出会いは?

「彼が小学5年生の時です。僕が長友佑都選手(現ガラタサライ)と永里優季選手(現シカゴ・レッドスターズ)のパーソナルコーチをやらせて頂いていて、それを耳にした建英のお父さんが『一度参加させてもらえませんか』とお話を頂きました。当時はバルセロナでプレーしていたので、日本に帰ってきたタイミングで『トレーニングをやってみたい』と。結果、その時からずっと今もパーソナルトレーニングをやらせて頂いています」 

――初めてプレーを見た時の印象は?

「非常に技術が高く、とくに左足に関しては素晴らしいと感じました」
 
――ラ・リーガ1年目のここまでをどう見ていますか?

「なかなか難しい状況ですが、色々な問題を一つずつ丁寧にクリアしてきた印象です。本当にクレバーな選手で、自分がいま何をしなきゃいけないかを常に考えながら練習しているし、試合でもそこを意識してプレーしてるという印象です」

――難しい状況というのは、具体的にどういう点ですか?

「例えば、自分が欲しいタイミングでボールが出てこないケースが多い。そうなると難しい状況の中でのプレーを強いられることになります。そういった状況でボールを受けたとしても、ネガティブなプレーにならない判断の選択をできていると感じます。」

――ここまでは、3ゴール・3アシスト(1PK奪取を含む)です。

「これも『難しい状況』に含まれるんですが、もう少し周りが決めてくれていたら、もっとアシストも増えていたし、『このタイミングで出してくれれば、ゴールできたかもしれない』というシーンも少なくなかったと感じます。3得点・3アシストという数字は、もっと増えていたかもしれないという印象です」
 

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