大迫勇也のブレーメンは果たして? 残り4試合で注目されるブンデス残留争いの行方【現地発】

2020年06月13日 中野吉之伴

大迫に求められるのはゴールだ

残留争いのさなかにあるブレーメンの大迫勇也。1部残留に貢献できるだろうか。(C)Getty Images

 ブンデスリーガは残すところあと4節。新型コロナウィルス感染拡大の影響で3月半ばに中断したあと、一時期はリーグ中止の可能性もあった。だが、なんとか最後までリーグを終えられそうなところまで来ている。まだまだ油断はできないが、現時点では徹底された衛生対策、ウィルス感染予防がある程度以上、うまくいっていると評価できるだろう。

 そんなブンデスリーガで、今回は残留争いをチェックしてみようと思う。ブンデスリーガでは16位が2部3位との入れ替え戦にまわり、17、18位の2チームが自動降格となる。果たして、どのチームに残留の可能性が残されているか。ここでは13位アウグスブルクから18位パーダーボルンまでを取り上げるが、長谷部誠と鎌田大地が所属する11位フランクフルト(勝ち点35)、12位ケルン(勝ち点35)もまだ安心できる状況とはいえない。

 はたして、来季も1部でプレーするのはどのクラブになるのだろうか。
 
18位パーダーボルン 勝点20 33得点62失点 得失点差-29
対戦相手:ブレーメン(H)、ウニオン(A)、ボルシアMG(H)、フランクフルト(A)

 最後まであきらめず情熱的で体を張ったプレーを続け、前節RBライプツィヒ戦ではアディショナルタイムに同点ゴールを挙げるなど、トップクラブ相手にも健闘している。それでも戦力的に厳しい選手層なのは誰の目にも明らかで、成績も後半戦は13試合でわずか1勝。16位のデュッセルドルフとの勝点は8ポイント差と数字上の可能性は残しているが、残り4戦4勝が絶対条件となるため、1部残留は限りなく厳しい。残念ながら1部リーグ挑戦というおとぎ話の終幕は近づいてきている。

17位ブレーメン 勝点25 30得点63失点 得失点差-33
残り対戦相手:パーダーボルン(A)、バイエルン(H)、マインツ(A)、ケルン (H)

 リーグ再開後6試合で2勝1分3敗と、これまでの成績と比べれば、調子は上がっている。特に27節フライブルク戦、28節ボルシアMG戦、29節シャルケ戦で3試合連続無失点と強靭な抵抗力を見せている。長く問題とされていた淡白な守備がかなり改善されたことが大きい。ギリギリのところまで体をなげうって戦うことができている。
 一方で、リーグ最少得点の攻撃力は相変わらず。セットプレーを中心に数少ないチャンスをものにし、最少得点を守り切ってしぶとく勝ち点を重ねていく。そのやり方を徹底していくしかない。フロリアン・コーフェルト監督はそのための選手をピッチに送り続けることになるはずだ。大迫にはそんなチームを救う起死回生のゴールを期待したい。1つのゴールで、全ての悪しき流れを吹き飛ばして欲しい。
 

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