プラティニが伝説を作り、ジダンを経てエムバペが継承へ――フランス代表の10番列伝

2020年06月09日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

もっとも輝きを放ったレ・ブルーの10番は?

プラティニ(左)、ジダン(中央)、エムベパ(右)。いずれもフランス代表で10番を背負い、メジャータイトル獲得に大きく貢献した新旧スタープレーヤーだ。

 過去のメジャートーナメントにおいて列強国の代表チームでは一体誰が栄光の10番を背負ってきたのか。歴代の担い手たちはどんな結果を残してきたのか。10番の価値や意味合いなど各国の事情に触れながら、紹介する。

 ここで触れるのは、伝説的な10番を生み出してきたフランスだ。

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 フランス代表の"10番伝説"を切り開いたのが、ミシェル・プラティニだ。「背番号はポジションごとのアルファベット順」という伝統を破り、82年W杯では唯一の例外としてナンバー10を着用。同大会では4位、続くEURO84では初優勝、そして86年W杯では3位にチームを導いた。

 そのプラティニを超える実績を残したのが、実に6大会連続で司令塔を担ったジネディーヌ・ジダンだ。98年W杯でレ・ブルーを初の世界制覇に導くと、続くEURO2000も制覇。クラブキャリアでは10番と無縁ながら(カンヌで11番、ボルドーで7番、ユーベで21番、マドリーで5番)、「ジダン=10番」のイメージが完全に定着した。
 

 ジダン引退後は、その後継者と目されたサミル・ナスリやヨアン・グルキュフが伸び悩んだ関係もあり、レ・ブルーのナンバー10は主にアタッカーが背負う番号となった。

 しかし、まずはシドニー・ゴブが期待を裏切れば、悪くない働きを見せていたカリム・ベンゼマも15年に発覚した同僚マテュー・ヴァルブエナに対する恐喝容疑(事件は未解決のまま)でそのまま代表追放の憂き目を見た。

 そんな負の歴史に終止符を打ったのが、キリアン・エムバペだった。18年3月に10番を継承すると、ロシアW杯では世界制覇の立役者のひとりに。まだ21歳だけに、ジダンを超える"長期政権"を築く可能性も十二分だ。

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