来季G大阪内定の有望株をリモート直撃! 明治大CB佐藤瑶大が語った母校とガンバの凄さとは?

2020年05月27日 安藤隆人

エアバトル以外は「一切通用しなくて、もうショックで…」

G大阪への来季入団が内定した明大DFの佐藤。写真:安藤隆人

 来季のガンバ大阪入りが内定している明治大の大型CB佐藤瑶大。FC多摩ジュニアユース時代から得意としていたエアバトルと対人、キックの精度に加え、カバーリングやラインコントロール、ビルドアップ能力を磨いて、昨年は総理大臣杯、関東大学リーグ、インカレと優勝し、チームの3冠に大きく貢献した。4バック、3バックと柔軟に対応し、明治大の守備を支えた183センチの長身DFに、明治大での日々やG大阪への加入の経緯と思いを聞いた。

「入学した当初はプライドをへし折られた気分でした。自信を持って入ったのですが、年代別日本代表の選手やプロに進む先輩たちのレベルはもの凄く高くて、エアバトルは通用したのですが、他が一切通用しなくてもうショックでした」

 駒澤大高2年時には選手権ベスト8に貢献し、プロからの声は掛からなかったが、名だたる強豪大学の争奪戦の末に明治大の門を叩くことを決めただけに、自信はあった。しかし、それはあっという間に吹き飛んだ。

「でも、それが逆に嬉しかった。もともとヘッドとキックという自分の武器だけではプロでは通用しないと思っていたので、もっと僕の個人能力を高めたいと思って明治大にしたんです。正直、憧れもありましたし、テクニカルなサッカーをする一方で、めちゃくちゃハードワークを求められるんです。動き直し、戻りの速さなど、すべてのプレーの強度が高い。ここで毎日練習に励み、レギュラーを掴んで試合に出続けたら絶対に成長できるし、プロも近づくという確信がありました」

 すぐに「俺は下手くそなんだ」と受け入れ、基本である『止めて・蹴る』を徹底して磨きながら、周りの先輩たちの姿を見て自分の成長に取り入れていった。

「僕の3つ上の鳥海晃司(ジェフユナイテッド千葉)さんは本当にクレバーでポゼッションがうまい。ビルドアップの関わり方だったり、ポジショニングもよくて『組み立てられるCB』ですね。2つ上の上夷克典(京都サンガ)さんはスピードと予測の早さ、そして頭の良さが魅力です。高さもあって空中戦も強いし、2年生の時にCBとして一緒にやっていて、ライン上げのタイミングが抜群だと思いました。特に同じ2つ上の岩武克弥(浦和レッズ)さんと上夷さんがラインに入った時は、コントロールの質が凄まじく高くなるんです。上夷さんや岩武さんは相手がボールを下げるなと予測したら、もうラインを先に1~2m上げているんです。常に相手のボールの動きや蹴る仕草、そしてFWの動き出しなどを見ながら、的確な判断に基づいてやっている。そこは本当に勉強になりましたし、見習わないといけないと思いました」

 名だたる先輩たちの長所を分析し、自分に落とし込む。その目は同期にも向けられていた。
「常本佳吾を見ていても、本当に羨ましいなと思うことが多かった。常本は自分に足りない予測の速さとサッカーのIQの高さを持っていますし、情報処理力も凄くて、一緒に隣でやるとすごく学べる。僕は基本『無い物ねだり』なんです(笑)」

 彼の無い物ねだりは『飽くなき向上心』と『自己把握能力』に言い換えることができる。この2つの力が彼をG大阪に引き合わせたのも事実だった。
 

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