【高校サッカー】指導者たちに訊いたコロナ禍の部活。進路選択に影響、トレーニングはオンラインや独自発想で…

2020年05月05日 安藤隆人

インターハイ中止…「進路を懸けていた」という3年生には大きなショック

昨年はインターハイで8強入りした北越。当時2年生だった選手たちは最後の夏に強い想いを持っていたが……(写真は昨年のインターハイ)。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 4月26日に史上初のインターハイ中止が発表され、大きな衝撃が走った高校スポーツ界。サッカー界においてもインターハイの中止の他、高円宮杯プレミアリーグ、プリンスリーグ、都道府県リーグの開催も延期続きで選手権予選への影響が懸念され、先行き不透明で非常に難しい状況にある。

 その中で全国の高校はこの状況をどう受け止め、どう日々の活動をしているのか。幾つかの高校の指導者たちに話を伺った。(取材・文●安藤隆人/サッカージャーナリスト)

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 昨年のインターハイでベスト8に進出した新潟の北越高。全国レベルでの戦いの楽しさを味わうことができた彼らは、今年のインターハイも大きなターゲットとしていた。

「インターハイ中止はネット記事で知りました。『クラスルーム』というグーグルのアプリがあって、そこでサッカー部の全員に僕が文章で『中止決定があったのですが、選手権があることを信じて頑張りましょう』と伝えました」

 そう語った荒瀬陽介監督にとって、この決定を伝えるのはかなり苦しいことだった。
「3年生数人とズームで話をしたのですが、『インターハイに進路を懸けていた』『昨年を見ていたので、余計に出たかった』と言う選手が多くいて、そのチャンスが失われたことに大きなショックを受けていた。特に昨年我々は素晴らしい経験をさせてもらったから、3年生はなおさら思いが強かった。ここに懸けていた選手もいて、みんな困惑していました」

 北越高は3月頭から休校になり、そこからサッカー部の活動も休止した。そのまま春休みに突入すると、新潟県は緊急事態宣言の対象外だったこともあり、4月6日には一斉に学校が始まったことで、いったんは部活動も可能になった。しかし、4月16日に首都圏と大阪・兵庫、福岡などに限定されていた緊急事態宣言の対象が全都道府県に拡大をされたことで、再び休校となったことにより、部活動もまた自粛せざるを得なくなってしまった。

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