「検査の頻度は?」「試合中のマスクは?」ブンデスリーガ再開への見通しが明るくなってきたワケ【現地発】

2020年05月03日 中野吉之伴

ブンデスは無観客試合での再開を目指す

ドイツではリーグ再開へ着々と準備を進めている。 (C)Getty Images

 ブンデスリーガは、本当に再開できるのか。

 新型コロナウィルスの影響で、ドイツでは3月半ばからブンデスリーガを含むあらゆるスポーツ、そしてその他のイベントが中止されている。アンゲラ・メルケル首相は8月31日まで国内における大きなイベント開催禁止を公表しており、当然ブンデスリーガも含まれる。シーズンを再開しても、残り試合で観客を入れての開催することは不可能だ。そのため、今は無観客試合での再開に向け、様々な準備が進められている。

 無観客試合であっても、リーグを最後まで続けることがクラブ存続にはどうしても必要だ。3月から試合が中断して以降、テレビ中継はない。放送がない状況での放映権料は支払われるべきか、というのは大きな話題となった。

 というのも、もしこれが支払われない場合、1部リーグでも6つのクラブが経済的な大打撃を負い、最悪の場合、破産となる危険性もあると報じられていたからだ。当該クラブには、フライブルクやマインツといった小・中規模クラブだけではなく、シャルケやボルシアMGなどの強豪も含まれており、その深刻さがさらに際立って感じられたものだ。

 4月下旬、テレビ放映権料の一部が支払われたことで最初の危機は乗り越えることができたが、まだまだ楽観視はできない。

 何より、無観客試合で開催するとしても、超えるべきハードルはある。関係者がどれだけ安全性を主張しても、納得させるだけの準備と対策が練られてなければ、当局からゴーサインは出ないからだ。徹底した衛生管理と準備で、関係者の安全面を考慮するプランを打ち立てるため、「タスクフォース」チームが設立。ドイツ代表チームドクター、ティム・マイアーをチーフとする総勢8人による、綿密な打ち合わせが続いている。

 ドイツサッカーリーグ協会(DFL)のタスクフォースチームが作り上げたコンセプトによると、まず選手ら関係者は、最低でも週1回の新型コロナウィルス検査を受けることを義務付けられる。今季終了までに全クラブ全関係者のテスト総数は、約2万件となる見込みだ。

 これは繰り返し検査を受けることで医療現場の負担を高め、一般社会における検査の機会を奪うことになるのでは、という批判の声もある。だが、DFLは全体的な検査のうち0.4%以下に収まると主張。そして、全国的な検査が必要となる状況になれば、すぐにまたリーグを中断する方針も固めた。DFLの代表取締役クリスティアン・ザイフェルトは、「リーガ再開の場合、日々新しい状況に対応するために取り組んでいく」と話してている。

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