レアル・マドリーが認めたその実力は本物か!? 16歳の神童ウーデゴーを現役監督が徹底解剖!

2015年01月25日 ロベルト・ロッシ

ボールコントロールの繊細さはすでにトップレベル。

卓越したテクニックの持ち主で、ワールドクラスに成長できるだけのポテンシャルを備えていると、ロッシ氏は称賛。 (C) Getty Images

 15歳でプロデビューとノルウェー代表デビューを果たし、16歳でレアル・マドリーに引き抜かれたマルティン・ウーデゴー。
 
 いま、欧州サッカー界で最もホットなこのヤングタレントを徹底解剖!
 
 現役イタリア人監督が、「テクニカル」「フィジカル」「タクティカル」「メンタル」の4つの側面から分析し、その可能性を探った。
 
※ワールドサッカーダイジェスト2015年2月15日号より転載。レアル・マドリー移籍前の原稿です。
 
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Martin ODEGAARD
マルティン・ウーデゴー/1998年12月17日生まれ、身長176センチ・体重60キロ。ノルウェー代表歴3試合・0得点(2015年1月24日現在)。
 
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【テクニカル】
 ウーデゴーが傑出した才能を持っているのは、ウェブ上に流布している動画からも確認できる。
 
 15歳でノルウェーのA代表にデビューしただけでなく、所属するストレームスゴドセトでも大人たちに交じって堂々と、しかもいい意味で無頓着にプレーするシーンを見る限り、強いパーソナリティの持ち主であるのも確かだろう。
 
 ただしそれだけの材料から、現在16歳の若者が最終的にどれほどのプレーヤーになるかを見通すのは難しい。
 
 栄光を掴めるか否かは、これからの成長と成熟にかかっているからだ。宝石に例えれば、彼はまだ「原石」に過ぎない。たとえそれがどれだけ素晴らしくとも、どのようにカットされ、磨かれ、どんな宝石になるかは、今後の問題なのだ。
 
 技術レベルの高さはプレーを見ればすぐに伝わってくる。優れた両足のセンシビリティ、その感覚に支えられたボールコントロールの繊細さはすでにトップレベル。パス、シュートは精度が高く、トリッキーなボール捌きを駆使したドリブル突破も素晴らしい。
 
 これらの観点から判断すれば、ワールドクラスに成長できるだけのポテンシャルを備えていると言える。
 
【フィジカル】
 16歳という年齢を考えれば平均的水準にあるが、トップレベルでプレーするにはまだパワーが足りない。それは際立ったプレーの大半において、スピードやクイックネスではなく、テクニックと創造性によって違いを作り出している事実からもわかる。
 
 真のワールドクラス、世界のトップを争うフットボーラーになれるかどうかは、傑出したテクニックとファンタジアに、トップレベルのフィジカル能力が伴ってくるかどうかにもかかっている。
 
 現時点で言えるのは、コーディネーションがきわめて優れているという点。これはポジティブなファクターで、そこにパワーが乗っかれば、スピードとアジリティの効率的な向上が期待できる。

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