2020年の“リアル”南葛SCが掲げる「ワクワクするサッカー」――練習から垣間見えたその正体

2020年02月21日 伊藤 亮

「同じ物差しを使ってみんなの“目”をそろえていく」

加入3年目を迎える安田。チームの攻撃陣を引っ張る存在だ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 東京都社会人サッカーリーグ1部3年目を迎える2020年の南葛SC。新たに就任した島岡健太監督は、クラブの代表である高橋陽一氏が描く漫画『キャプテン翼』に出てくる有名なフレーズ、『ボールはともだち』にもなぞらえ、「ワクワクするサッカー」を方針として掲げた。

 では一体、具体的にどのようなアプローチで「ワクワクするサッカー」を実現しようとしているのか。チームが始動して間もないタイミングで練習場にお邪魔し、そのヒントを探った。

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 宿願の関東サッカーリーグ昇格を目指す南葛SCの2020年の取り組みが、徐々に具体化してきた。現在は、東京都社会人サッカーリーグ1部開幕を前に東京カップ(東京都社会人サッカーチャンピオンシップ)を戦っている。一次戦は昨年末から始まっており、初戦となる2回戦を勝利した南葛SCは1月26日に行なわれた3回戦から島岡健太新監督が指揮を執り始めた。

「今はチームとして"何か見えてきた"というより、自分たちが"何を見るか"の方を重視しています。同じ物差しを使ってみんなの"目"を揃えていくのが大事だと考えているので」

 そう島岡監督は言い切る。前回のインタビューで語っていた「みんながワクワクするサッカー」実現のために必要となる"止める・蹴る・運ぶ・受ける"の絶対的な技術。そして目で繋がること。それを具体的に落とし込んでいくのに、まずやろうとしていることが「同じ物差しを使ってみんなの"目"を揃えていく」=統一した基準を設けることだ。しかも、かなり厳密に。

 島岡監督が言う技術とは「ボールをどれだけ思うように操れるか」ということだ。

「そこを厳密に。今までなんとなくできていたことを『いや、それではできたことにならないよね』と指摘する。そして、なんでできていないかを示していく。それをどれだけ伝えられるか、変えられるか。そこが僕のトライだし、責任だと思っています」
 

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