タイリーグ開幕戦で日本人監督対決が実現!今季の注目チームを率いる二人の指揮官に課せられた重要テーマとは?

2020年02月19日 佐々木裕介

“元鹿島監督”石井監督と“昨季王者”を率いる滝監督が開幕カードで激突!

今季はタイ1部のサムットプラカーンを率いる石井監督。開幕戦で日本人指揮官対決に臨んだ。写真:佐々木裕介

 今週末にJリーグ開幕が迫っている。待ち遠しい反面、開幕時期が毎年早まっている気がしてならないのだが、他国事情もさほど変わらないようだ。

"東南アジア最高峰リーグ"と呼び声高きタイリーグは、Jよりひと足早く先週末に開幕した。

 注目の開幕カードは"サムットプラカーンシティFC対チェンライ・ユナイテッド"だ。昨季、旋風を巻き起こしてみせたサムットプラカーンが、"昨季王者"チェンライ・Uをホームへ迎えたフライデーナイトマッチに注目が集まった。そしてタイリーグのマーケット戦略の一環なのか、いきなり"日本人監督対決"が実現することに。会場にはタイ代表監督・西野朗の姿もあった。

 サムットプラカーンは石井正忠(元鹿島監督)が、チェンライ・Uは滝雅美(元タイ・ホンダFC監督)が監督として指揮を執った開幕戦は、1-1のドロー決着に終わる。前半早々に先制に成功したサムットプラカーンだったが、後半に前線を厚くして攻勢を強めたチェンライ・Uが追いつく展開に。しかし、この時期ゆえのやむを得ない事情なのか、どちらも組織として精度の低いオープニングマッチになってしまったことは否めなかった。

 特にチェンライ・Uは、チャンピオンズカップ(前年のリーグ戦覇者とカップ戦覇者が争うシーズン開幕を告げるタイトルマッチ)やすでに始まっているACLの初戦を戦い、どこよりも激務をこなしながら迎えた開幕戦だっただけに、選手に疲労の色が表われていたことも明白だった。


「ホームで勝点3を取るためにチーム全員がしっかり90分間戦ってくれたとは思いますが、結果、勝点1しか取れなかったことは非常に残念に思っています。前半は非常に相手にボールを持たれる時間が多かったのですが、後半は自分たちがしっかりパスを繋いで、というサッカーも出来たので、そういった点では良かったとは思っています」(石井監督)

「勝利が欲しい試合でした。でもマイペンライです」(滝監督)

 試合後の公式会見、タイでの初陣を終えた石井監督は終始穏やかに語る姿が印象的だった一方で、滝監督は「アウェーで勝点1を取れたことは良かった」と気丈に振舞ったが、本心とは異なっていたように感じ取れた。前年覇者を率いる重圧と、並行してアジアの舞台で戦う組織を統率する苦労は計り知れないものがあるのだろう。

次ページタイ代表の西野監督への注目度も高いなか、昨季のサムットプラカーンの躍進を導いた村山監督のサッカーに衝撃が走る

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