「私がクラブと話し合う」エムバペの東京五輪出場を仏サッカー連盟会長が後押し! 揺れるパリSGの対応は…【現地発】

2020年02月15日 結城麻里

A代表のデシャン監督の意見は?

東京五輪への参加を強く希望しているエムバペ。 (C) Getty Images

 キリアン・エムバペの東京オリンピック出場が、現実味を帯びてきた。フランス・フットボール連盟のノエル・ルグラエット会長が、出場を後押しをする発言をしたためで、今後ますますパリ・サンジェルマン側の対応に注目が集まりそうだ。

 ルグラエット会長は、エティエンヌ・モワティ記者の独占インタビューに応じ、フランス時間13日付の『L’EQUIPE』紙に大きく登場した。

 そして、エムバペのオリンピック出場問題について問われると、「彼はチャンピオンズ・リーグもEURO2020もオリンピックも制覇したいのだ」と強調し、「私もパリSGに電話してその件を話し合う。本人は出たがっている。オリンピック代表監督(シルバン・リポル)も強く出場させたがっている」と答えた。

 そうなると気になるのが、代表チームでの扱いだろう。記者から「(代表監督の)デシャンの意見は?」という質問が飛ぶと、「オリンピックはEURO2020の後だから、それほど複雑な問題にはならない。彼は自分の意見を言うだろうが……」と語るにとどめた。

 A代表のディディエ・デシャン監督はすでに「私はエムバペの雇用者ではない」と発言しており、雇用主であるパリSGが決めるべきことで、A代表監督としては反対しないことを示唆している。

 次いで「あなたの意見は?」と聞かれたルグラエット会長は、「もちろん、彼がオリンピックに出場してくれたほうがいい。とくにイメージ面でね。すでにトップクラスの若者だ」とし、持論を展開し始めた。

「でも、私はパリSGの立場にも立つよ。彼らにしてみれば、全てのコンペティションを戦うなんて、望まないかもしれないね。

 だが彼ら(パリSG)が反対するとは思わない。イメージが悪くなるかもしれないからね。我々も、招集できなければ同じことになる」

 クラブへのフォローを強調したルグラエット会長は、さらにこう続けた。

「ネイマールだってオリンピックに参加しただろう。しかもリヨンと契約したばかりの(ブルーノ・)ギマラエスは、オリンピック出場のために、クラブが拘束しない条項を盛り込んだ。リヨンのメンバーの半分はオリンピック出場になるだろう。私も(リヨン会長のジャン=ミシェル・)オラスからの手紙を10枚は受け取るだろうな……」
 

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