大胆なシステム変更を進める浦和とFC東京。宮本ガンバは新スタイル確立へ…沖縄キャンプに見えたJの変化

2020年01月22日 佐藤俊

長らく3バックを採用してきた浦和が4バックに着手

沖縄でキャンプを張る浦和(左/興梠)、G大阪(中/宇佐美)、FC東京(右/レアンドロ)。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 沖縄はこの時期、サッカーをするのには最高の環境だ。

 20度前後の気温で、日が射すと半袖でのトレーニングも可能になり、身体がよく動くので仕上がりも早くなる。グラウンドが整備され、非常にきれいな芝の上での練習が可能だ。練習スケジュールを順調にこなし、チーム作りを着実に進めることができる。

 浦和レッズは、金武町フットボールパークで第1次合宿をスタートさせた。そこで取り組んでいるのが、新システムへの移行だ。

 クラブは、新たに就任した土田尚史スポーツダイレクターが「3年計画で改革を行ない、2022年J1優勝」と宣言し、今年は新しいチーム作りの元年となっている。それを選手も意識しており、システム変更はその第一歩になる。槙野智章は「新しいことに挑戦し、チームの改革を進めるには大事なこと。楽しみでもある」と前向きだ。

 浦和と言えば3バック、3-4-2-1のシステムを長らく採用してきた。補強も例年、そのシステムに合うタイプの選手を獲得するなどチーム作りを徹底し、3バック王国を築き上げてきた。そのスタイルは鹿島の4バックと並び、しっかりと定着している。

 その浦和が4バックに挑戦しようとしているのだ。

 4対2で狭いコートでの鳥カゴ練習や4対3での攻撃練習、さらにフルコートでは最終ラインのビルドアップからボールを保持しながらゲームを組み立てていく練習をしていた。昨年34得点と低調だった攻撃を改善すべく、大槻監督の大きな声が響き渡り、選手はポジショニングや動きについて確認をする。


 選手は大槻監督の声に敏感に反応する。監督の戦術を理解し、4バックに対応できる選手がそのポジションを掴むことになる。それだけにキャンプは選手の集中力が凄い。アップでは笑い声が漏れていたが、練習に入ると空気がピンと張りつめる感じだ。

 レギュラー争いは、これから熾烈を極めるだろう。

 4バックになれば、これまで出場機会に恵まれなかった山中亮輔やマルティノスに出番のチャンスが増えるだろうし、2トップになれば杉本健勇も活きてくる。サイドハーフは激戦区になり、CBは槙野、マウシリオ、鈴木大輔、岩波拓也らが争うことになる。攻撃の構築、左右のサイドバックをどうするのか等々、課題はあるがピリッとしたムードで合宿が進む中、チームがどう仕上がっていくのか。

 今シーズンの浦和には期待が膨らむばかりだ。
 

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