ザルツブルクの“怪物”ハーランドはなぜマンUを蹴ってドルトムント移籍を選んだのか?

2019年12月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

10代のデビュー戦ハットトリックはCL史上初

今シーズンは早くも28得点とゴールを量産しているハーランド。ブレイクから数か月でドルトムント入りを勝ち取った。(C) GEPA pictures/ Mathias Mandl

 現地時間12月29日、ドルトムントはレッドブル・ザルツブルクに所属するノルウェー代表FWアーリング・ハーランドを獲得したことを発表した。契約期間は2024年6月までの4年半で、ドイツの移籍専門サイト『transfermarkt』によると、移籍金は2000万ユーロ(約25億円)となっている。

 現在19歳の大型ストライカーは、今年1月に母国ノルウェーのモルデからオーストリアの絶対王者に加入。1年目は5試合で1得点に終わったものの、シーズン終了後にノルウェー代表の一員として出場したU-20ワールドカップのホンジュラス戦(12-0)で、トリプル・ハットトリック(9ゴール)を達成し、一躍注目を浴びた。

 そして新シーズンが開幕すると、ここまで公式戦22試合で28ゴール・7アシストの大暴れ。とりわけ衝撃的だったのが、チームにとっても自身にとっても、チャンピオンズ・リーグ(CL)での"初陣"となった9月17日のヘンク戦(6-2)。2004年のウェイン・ルーニー(マンチェスター・ユナイテッド)以来となる10代でのハットトリックを、しかも前半だけで達成するのだ。

 この活躍により、瞬く間に欧州の有力クラブがこぞって注視する人気銘柄となり、とりわけモルデ時代の恩師オレ・グンナー・スールシャールが率いるユナイテッドが獲得に本腰を入れていた。だが、選んだのはブンデスリーガだった。

 怪物FWは、なぜ一足先にリバプール加入が決まった同僚の南野拓実と同じく、世界最高峰のプレミアリーグ移籍を選択しなかったのか。
 
 英紙『Daily Mail』は、将来ハーランドが他のクラブに移籍した際に、売却額の一部を父のアルフ・インゲ・ハーランドと代理人を務めるミーノ・ライオラに支払うというハーランド側の条件をユナイテッドが拒否したから、とその理由を伝えている。結局、それを受け入れたドルトムントが争奪戦を制する格好になったようだ。

 ちなみにハーランドの父は、ともにマンチェスター・Uとライバル関係にあるリーズやマンチェスター・シティでプレーしたMFだった。

 いずれにしても、10代でビッグクラブの一員となったハーランド。ドルトムントは前線が駒不足なだけに、いきなりレギュラーの座を掴む可能性も十分にある。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

次ページ【動画】ハーランド父が食らったロイ・キーンの意図的な「殺人タックル」はこちら

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事