【連載・東京2020】立田悠悟/中編「劣等感を抱いていた中高時代。それでも這い上がれた理由」

2020年01月06日 前島芳雄

中学3年間で25センチも身長が伸びた

立田が紆余曲折のキャリアを振り返る。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 2020年7月に開催される東京五輪。本連載では、本大会での活躍が期待される注目株の生い立ちや夢舞台への想いに迫る。

 8回目は、190㌢を越える長身と身体を張った豪快なシュートブロックが光る立田悠悟が登場。

 清水区で生まれ育ち、そのまま清水のジュニアユース、ユースを経て2017年にトップチームに昇格。世代別代表にはU-17代表からいつも名を連ねてきた。しかし本人は決してエリートではないという。なぜ立田は世代屈指のCBに成長できたのか。

 中編では、ジュニアユース時代からユース昇格までを訊いていく。身体が急成長した中学時代だからこその苦悩も。そしてなかなかイメージどおりにいかない悔しさを感じていた。それでも挫けなかったエネルギーになったのは――。

前編はこちら
【連載・東京2020】立田悠悟/前編「『あいつらはみんな命懸けだった』サッカー観を変えた恩師の問いかけ」

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――ジュニアユース時代には、どんなことを学びましたか?
「まず体力がなくて全然走れなかったので、そこはずっと言われてました。それと、基礎のところは小学校から続いてジュニアユースでもずっと言われ続けてましたし、自分の中でもすごく大事にしていた部分。それもすごく学べたところです」

――身長は小さい頃から高かったんですか?
「小学校低学年の頃は大きかったんです。でも、そこからどんどん周りの人に追い越されていって、中学に上がる頃はそこまでではなかったです。エスパルスジュニアユースに入った時に、159㌢だったのは覚えています」

――159㌢ですか。たしかに特別高かったわけではないですね。
「でも中学3年間でかなり伸びたんですよ。中3の時には184~185㌢くらいあったはずなので、25㌢くらい伸びたってことですよね。自分でもよくこんなに伸びたなと思います。なんか恐ろしいくらいですよね(笑)。一番背が伸びていた時期は、練習できなかったこともありました。成長が急すぎてうまくコントロールできないんですよ。動きがバラバラというか、うまく合わない感覚があって……」

――どんな感覚ですか?
「なんだろう。うまく説明するのは難しいんですけど、目線の高さが変わるから、ボールが落ちてくる軌道が分からなくなるというか、走っていて自分のイメージと合わなかったりする部分があったんですよね」

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