「クロップが成功を確信した」英国人記者が南野拓実のリバプール電撃移籍を読み解く【現地発】

2019年12月14日 スティーブ・マッケンジー

リバプールにとって願ってもないタレントだ!

リバプールとの2試合で存在感を示した南野。この活躍がきっかけで引き抜かれる可能性が高まっている。 (C) GEPA pictures/ Mathias Mandl

 10月2日(現地時間)にアンフィールドで行なわれたチャンピオンズ・リーグ(CL)のグループステージ第2節で、レッドブル・ザルツブルクはリバプールに3-4の敗戦を喫した。だが、この試合で1ゴール・1アシストのハイパフォーマンスを披露した南野拓実は、イングランドのサッカーファンに鮮烈な印象を与え、一気に注目の存在となった。

 それからおよそ2か月。リバプールが南野を引き抜く可能性が高まっている。複数メディアの情報を複合すれば、すでにクラブ間での基本合意には達しており、メディカルチェックと個人条件をまとめれば、正式契約に至るようだ。

 入団がカウントダウンとなっている南野は、ドイツ人監督のユルゲン・クロップが率いるリバプールにとっては、願ってもないタレントだ。

 過去2年間のリバプールに対する批判の一つに、中盤での創造性の欠如が挙げられていた。多くの人は、攻守におけるにインテンシティ-の高さに目を向けるが、レッズの中盤に改善が必要だと指摘する声は小さくない。

 18年1月に司令塔タイプのフィリッペ・コウチーニョがバルセロナに移籍して以来、リバプールは、機動力に優れた選手を中盤に起用してきたが、機動的かつ創造的な選手である南野ならば、違いをもたらすことだろう。

 厳密にはMFではないが、リバプールと戦ったCLの2試合で、トップ下やインサイドハーフでも遜色なくプレーできる能力と柔軟性を持っていることを示した。このようなユーティリティーな選手をクロップは高く評価しており、日本代表FWも例にもれず、その御眼鏡に適ったというわけなのだろう。

 ザルツブルクで経験を積んだことも、プレミアリーグでプレーするうえで、いい準備になったと思う。リバプールならば、なおさらだろう。

 フィジカル的で、アグレッシブかつハードなサッカーが特長のザルツブルクは、プレミアリーグのプレースタイルに近く、そこでレギュラーを張ってきた南野ならば、難なくフィットできるはずだ。

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