浦和、3年計画で掲げた復権への目標設定と補強ポイント。ただしチーム作りの具体的な言及には…

2019年12月13日 佐藤亮太

「浦和を背負う責任」を軸に、3つのチームコンセプトを選手に徹底させるとした

新強化体制会見に出席した浦和のフロント陣。左から立花代表、戸苅本部長、土田SD、西野TD。写真:佐藤亮太

 浦和レッズは12日、さいたま市内で『2020シーズン新強化体制記者会見』を開いた。

 会見には浦和・立花洋一代表をはじめ、監督、選手、スタッフの編成および他クラブとの交渉など強化全般に携わる土田尚史スポーツダイレクター(以下・SD)、そのSDの補佐役で選手のスカウティング、リストアップを行なう西野努テクニカルダイレクター(以下・TD)、そして新設された経営面から強化部門を見る、戸苅淳フットボール本部・本部長が登壇した。土田SD、西野TD、戸苅本部長といずれも浦和でのプレー経験がある、いわば‘純血主義’の新布陣となった。


 土田SDは現役時代、GKとしてリーグ通算134試合に出場。引退した01年から浦和レッズGKコーチに就任。山岸範宏、都築龍太、西川周作ら多くの守護神を育てた名伯楽として知られ、昨季は"代表付き"として、内外で活動した。

 西野TDは現役時代、神戸大学出身の頭脳派DFとして、リーグ通算134試合に出場。02年1月に引退後、海外に留学しクラブマネジメントを学んだ。また大学教授の顔を持つ人脈の広い人物だ。戸苅本部長は引退後、営業部、広報部を歴任し、長くクラブを裏から支えた。その3人だけに"浦和愛"が強く、キーコンセプトである"浦和の責任を背負う"にはもってこいの人材と言える。

 ここ数年の度重なる監督交代と変わる戦術。そして不安定な成績。

 この苦境の原因を土田SDは目先の勝利を求め、求められるなか、明確なコンセプトがなかったと説明。そこで新たにキーコンセプトとして「浦和を背負う責任」を軸に3つのチームコンセプト「個の能力を最大限に発揮すること」「前向きに、積極的に、情熱的に戦うこと」「攻守に切れ目なく、常にゴールを奪うためのプレーを展開すること」を挙げ、選手に周知徹底させるとした。

 さらに土田SDは「浦和レッズ3か年計画」を発表。来季20年を変革元年とし、3つのチームコンセプトとともに「得失点+2桁」と「ACL出場圏内」を目標に掲げた。翌21年を飛躍の年とし、22年でリーグ優勝。23年、優勝争いあるいはリーグ連覇を狙うと継続的かつ安定的に好成績を挙げるチーム作りをし、復権を目指そうとしている。

 この手始めとなる来季の具体的な補強について土田SDは得点力・決定力強化を挙げ「結果を残せる選手。日本人選手、外国籍選手問わず、リストアップしている」とし、また「センターバックも重要なポイントである」とFW、DFの補強を明言。その一方、契約が来季にまたがっている選手が多いことから、入れ替えが難しいともした。
 

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